Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊谷 隆 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90234509)
白井 朋之 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (70302932)
竹田 雅好 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30179650)
矢野 孝次 神戸大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (80467646)
貝瀬 秀裕 名古屋大学, 大学院・情報科学研究科, 助教 (60377778)
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Research Abstract |
確率解析の応用として,昨年に引き続き解析学,幾何学への応用に関して,特にジャンプをもつ確率過程に対して研究を進めた.分担者の熊谷は,ジャンプをもつ一般的なクラスの確率過程に対する推移確率の上からの評価をハルナックの不等式との関連において証明し,領域からの脱出時間などの確率過程に対する重要な量の研究への応用を与えた.代表者松本は,幾何学的な樹木の各辺に一般化逆ガウス分布またはガンマ分布をする確率変数を独立に与えてランダムな抵抗をもつ電気回路のモデルを構成した際に現れる独立性に関する結果に対して,指数型ウィナー汎関数を用いた解釈を与え,従来知られていた結果の一般化を行った.また,分担者竹田は,安定過程などを基礎にしてファインマン-カッツ型の半群をp次可積分な関数の空間で考えたときて,スペクトルの下端がpに依らないことを示し,結果の大偏差原理への応用を与えた.1次元安定過程に対しては,分担者の矢野がある点への到達時刻の法則に関して新しい公式を与えた. 一方で,確率解析の数理ファイナンスへの応用に関しては分担者貝瀬が大きな前進をしている.氏はmax-plus代数と呼ばれる新しい代数に基づいた制御理論を構築し,数理ファイナンスへの応用を図っている.この制御理論は,作用素の準古典近似に関連したリスク鋭感的確率制御を枠組みとして含む形で,しかも安定性の高い制御を提供する理論として纏まりつつあり,斯界において注目を浴びている. また,今年度も,確率解析とその周辺,確率論シンポジウム,数理ファイナンスとその周辺と題する研究集会を本研究費の援助により開催し,本研究の研究結果および関連する研究に関して活発な議論を通して研究連絡を行い研究の進展に役立てた.
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