2007 Fiscal Year Annual Research Report
あかり遠赤外線広域マップの作成とそをいた分子雲形成過程の研究
Project/Area Number |
19204020
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
北村 良実 Japan Aerospace Exploration Agency, 宇宙科学研究本部, 准教授 (30183792)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 貴雄 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部, 教授 (20202210)
山村 一誠 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部, 准教授 (40322630)
上野 宗孝 東京大学, 総合文化研究科, 助教 (30242019)
土井 靖生 東京大学, 総合文化研究科, 助教 (70292844)
河村 晶子 名古屋大学, 理学研究科, COE研究員 (30377931)
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Keywords | 赤外線天文学 / あかり / 遠赤外線マップ / 分子雲 / 星形成 |
Research Abstract |
研究初年度にあたる昨年度は、「あかり」遠赤外線サーベイデータから広域イメージマップの作成を行うための研究と作業を行った。 遠赤外線観測に於いては、検出器の複雑な特性の補正、不良データの検出とマスク、キャリブレーションなどの作業が、良い科学的解析を行うために重要な鍵となる。そのためスキャン観測データを処理するパイプライン・プログラムの改良を重点的に行った。具体的には、強い宇宙放射線の影響で特定の検出器ピクセルの動作が不安定になり、その後数十分問に渡り不正なシグナルを発生する現象が問題となっていたが、これを検出し、マスクするプログラムを新規に開発し、データ処理システムに組み込んだ。また、検出器感度や暗電流が、放射線や空の明るさによって時間変動するのを補正する現象を再評価して、プログラムを改善し、観測領域によらず安定した補正が行えるようになった。 光度標準星による評価では、波長バンドにもよるが、概ね10-30%の相対精度が得られるようになっている。このような改修を施したデータ処理パイプラインにより、全サーベイデータの再処理を行ったが、本科研費で購入した高速の計算機により、処理時間を大幅に短縮することが出来た。 さらに、拡散光全天マップのためのソフトウェア開発も行い、任意の領域のイメージデータが切り出せる基礎的なプログラムの開発を完了した。現在は、得られたイメージデータの精度評価、および精度向上のためのプログラムのさらなる改良作業を進めているところである。
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