2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19204024
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
下浦 享 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 教授 (10170995)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
道正 新一郎 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教 (80392140)
鎌田 裕之 九州工業大学, 工学部, 准教授 (80343333)
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Keywords | 不安定核ビーム / 中性子多体系 / 荷電交換反応 / ノックアウト反応 / 磁気分析器 / 中性子ドリップライン |
Research Abstract |
本研究は,不安定核ビーム(RIビーム)の中間エネルギー直接反応を用いて,3および4中性子系,超重水素同位体6,7Hおよび中性子ドリップラインを超えた軽い原子核を生成し,そこに発現する中性子相関を調べることにより,中性子多体系のダイナミックスを解明することを目的とする。具体的には,核子あたり100-200MeVの二重荷電交換反応およびαノックアウト反応の測定を行う。加速器を用いた実験は平成21年度以降に行うが,本年度は,そのための準備として以下の研究を行った。 (1)高分解能磁気分析器SHARAQ焦点面検出器(CRDC)の開発本研究で測定する中間エネルギーのα粒子を含む軽い重イオンの焦点面における飛跡を測定する検出器の開発を行っている。高分解能を実現するために物質量の少ない検出器として,低ガス圧で動作するCRDC(CathodReadoutDriftChamber)の設計を行い,詳細仕様を確定した。有感領域55cm×30cmの検出器2台で構成され,分割カソード(1024チャネル)に誘起される電荷分布の重心を求めることにより,半値幅300μm以下の分解能が期待される。 (2)多チャンネル検出器のための高速データ収集システムの開発CRDCの多数の信号処理として,フランスで開発された前置増幅器にマルチプレクサを組み込んだASICを用いることとし,これを製作した。また,Multi-HitTDCおよびFlashADCといったデッドタイムのほとんどないアナログデジタル変換器を高速で読み出すためのシステムの検討を始め,プロトタイプシステムの製作を進めている。 (3)ノックアウト反応モデルの検討中間エネルギー領域では,インパルス近似がよい精度で適用可能であることがわかり,それに基づくモデルの検討を始めた。α粒子ノックアウトに関しては,分光学的因子の見積もりが必要であるが,殻模型とクラスター模型の関連についての研究を進めている。
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