2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19204047
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 薫 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 教授 (90251496)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨川 喜弘 大学共同利用機関法人情報・システム研究機構・国立極地研究所, 助教 (20435499)
河谷 芳雄 (独)海洋研究開発機構, 地球環境変動研究領域, 研究員 (00392960)
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Keywords | 中層大気力学 / 波動平均流相互作用 / 物質循環 / 赤道成層圏準2年周期振動 / 半年振動 / 重力波 / ロスビー波 |
Research Abstract |
中層大気における大気重力波、捕捉されたロスビー波、慣性不安定、対流圏界面付近の微細構造、トレーサーの層状・フィラメント状構造など、小さな空間スケール、および短い時間スケールを持った現象の特徴と中層大気の大規模構造・大循環・振動現象に対して果たす役割を調べることを目的とする。前年度開発し3年間のシミュレーションを行った対流圏から上部中間圏を含む高解像中層大気GCMの出力データをもとに、今年度は次の研究を行った。 ・南半球中高緯度重力波のクライマトロジーとアンデス・南極半島からの発生(季節変化の提示と、地形性重力波でも数千km風下に流される可能性があることを明確化) ・赤道下部成層圏の重力波及び赤道波のエネルギーと鉛直伝播の経度依存性(ウォーカー循環による対流圏平均風の経度依存性が成層圏波動特性に大きく影響する) ・南極中間圏における4日波の力学特性と発生メカニズム(ポテンシャル渦度解析により順圧傾圧不安定波の可能性が高いこと、その不安定場は重力波加速により維持されている) これらの研究結果は世界的にも注目され本年度2回の招待講演を行った。本研究の結果を補うため次の研究も行った ・非静力モデルを用いた南極カタバ風とそれに伴う擾乱の力学 ・小規模擾乱にも適応可能な3次元波活動度フラックスと3次元残差循環の理論 ・気球観測に基づく中部成層圏の慣性重力波の力学特性と発生メカニズム また、現在進行中の大型計画「南極昭和基地大型大気レーダー計画PANSY」(2009年度に予算措置)における、高解像度GCMの研究の位置づけについても、関連学会(日本気象学会、地球電磁気・地球惑星圏学会)での特別セッションにおいて、議論を行った。
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Research Products
(35 results)