2007 Fiscal Year Annual Research Report
イネのアミロプラストエンジニアリングに関する基礎的研究
Project/Area Number |
19208002
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
佐藤 光 Kyushu University, 大学院・農学研究院, 教授 (70128031)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久原 哲 九州大学, 大学院・農学研究院, 教授 (00153320)
麻生 陽一 九州大学, 大学院・農学研究院, 教授 (10117054)
熊丸 敏博 九州大学, 大学院・農学研究院, 准教授 (00284555)
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Keywords | イネ / アミロプラストエンジニアリング / サチュレーションミュータジェネシス / MNU受精卵処理 / 胚乳澱粉 / アミロペクチン / OMICS / バイオマテリアル |
Research Abstract |
1)サチュレーションミュータジェネシス ・水稲品種「金南風」及び「台中65号」のMNU受精卵処理M2より、新たに変異257系統を選抜、固定化を図った。さらにM2穂別系統862系統を育成すると共に、新たにMNU受精卵処理を行った。 ・TILLING分析の結果、本MNU処理でも動物細胞や微生物と同じく90%以上がGCからAT型への塩基置換変異で、塩基転換変異は極めて稀であった。一方、遺伝子座当たりの変異率は10kbp当たり6〜9で安定しており、本処理によって極めて高い確率で変異を得られること、3,000系統程度の変異ライブラリーを確立できれば、ほぼ全ての遺伝子に関する変異を網羅できる可能性が示された(Suzuki, et. al.2008)。 2)変異体を用いた澱粉生合成関連遺伝子の生物情報学的解析 SS3変異EM790及びPho1変異EM755及びEM640の変異遺伝子を同定し、EM640では第10exonの4716にC→T変異が生じ、Glnが終止コドンへ変化、一方、EM790及びEM755ではそれぞれ第1及び第5-intronのsplice siteのGがAへ変異し、フレームシフトによる終止コドンの誘導が生じたものと考えられた。 3)澱粉生合成関連酵素の細胞内局在解析 登熟種子を用いて、stepwiseに重層した15%〜65%ショ糖濃度勾配超遠心分離による胚乳細胞の分画を行い、細胞質、アミロプラストストロマ及び澱粉画分に分離後、SDS-PAGE、IEF及びウエスタン分析を行った。本解析により、各々の画分特有のタンパク質と澱粉生合成関連酵素の局在を明らかにできた。 4)澱粉変異の特性解析 可溶性デンプン合成酵素SS3変異の胚乳澱粉はアミロース含有率が有意に増加し、アミロペクチンはDP36以下の長鎖とDP9以下の短鎖が顕著に減少し、難糊化性を示した(Fujita, et. al.2007)。
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