2008 Fiscal Year Annual Research Report
産業利用を目的とした遺伝子組み換えポプラの野外試験
Project/Area Number |
19208016
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
林 隆久 Kyoto University, 生存圏研究所, 准教授 (70231529)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
馬場 啓一 京都大学, 生存圏研究所, 助教 (20238223)
太田 誠一 京都大学, 農学研究科, 教授 (10346033)
谷口 亨 森林総合研究所, 森林バイオ研究センター, 研究員 (00360470)
菊池 彰 筑波大学, 生命環境科学研究科, 講師 (00400648)
古田 裕三 京都府立大学, 生命環科学科, 准教授 (60343406)
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Keywords | 一酸化炭素排出削減 / バイオテクノロジー / 森林工学 / 植物 |
Research Abstract |
遺伝子組換えポプラの野外試験で得られた木部の構造変化を解析した。キシログルカンの特異的な分解に関わるAaXEG2遺伝子の構成発現により、キシログルカン量が30%に減少し、及びリグニン量は変わらず、セルロース量が若千増加した。木部の糖化性は、木粉およびホロセルロースにおいて組換え体の方が野生株よりも高かったが、ナノファイバーでは両者が等しくなった。ホロセルロースから超音波によるナノファイバー抽出過程では組換え体の方が解繊が容易であった。また、TEMPO酸化によって得られたナノファイバーは、組換え体のセルロースミクロフィブリル幅の方が太いことが観察された。これらの結果より、キシログルカンはサブエレメンタリーフィブリルに結合し、セルロース繊維を架橋することが推察された。 キシログルカンは、一次壁においてセルロースミクロフィブリルを架橋していることが分かっている。あて材形成の研究から、キシログルカンが二次壁にも存在することが明らかとなっている。キシログルカンを特異的に分解するキシログルカナーゼ(AaXEG2)を構成発現する組換えポプラから、セルロースミクロフィブリルに編み込まれているキシログルカンが構成的に除かれることが、野外試験からも確認された。
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Research Products
(5 results)