2007 Fiscal Year Annual Research Report
細胞壁多糖のインビトロ合成とそのキャラクタリゼーション
Project/Area Number |
19208017
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
杉山 淳司 Kyoto University, 生存圏研究所, 教授 (40183842)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 昌久 東京大学, 農学生命科学研究科, 准教授 (40270897)
馬場 啓一 京都大学, 生存圏研究所, 助教 (20238223)
|
Keywords | バイオマス / セルロース試験管内合成 / 膜タンパク質 / BY-2 / ホヤ / 酢酸菌 / ミズカビ / BcsA |
Research Abstract |
バイオマスの多くを占めるセルロースの生合成に関して、遺伝子を軸にした研究は多くあるが、膜タンパク質であるセルロース合成酵素の作用機序に関する報告はほとんどない。その正確な理解のためには、古典的だが生合成の様子を直接観察できるセルロース試験管内合成系の確立が不可欠である。そこで研究の最上流に位置する出発材料の選定を行った。すなわちセルロースを生産する様々な生物から膜タンパク質を単離し、それを用いてセルロース試験管内合成系の確立を目指した。 (1)植物を用いて成功した例はいくつか報告されているが、その実験系が引き続き解析に用いられた例は一つもない。そこでより完成された、将来的にも引き続き使用できるような実験系構築を目的として、培養が簡単で安定した試料供給が望めるタバコの培養細胞BY-2を使って実験を行った。スクリーニングを繰り返し、可能性ある条件をある程度まで絞り込んだ。 (2)ホヤにおいてセルロース合成酵素遺伝子の発現(転写)レベルが最も上昇する幼生を集め、遠心分画法により集めた膜中のセルロース合成活性を評価した。放射性同位元素(RI)ラベルの取り込みにより評価したところ、エタノール不溶性の固体を合成する活性を明らかにした。しかしこれを可溶化することはできなかった(京都大学大学院理学研究科の中島啓介博士との共同研究)。 (3)その他、酢酸菌やミズカビを用いて試験管内合成を行ったが、明らかな合成活性を得ることはできなかった。 (4)酢酸菌のセルロース合成酵素の触媒サブユニットであるBcsAの大腸菌発現系を用いて、組み換え体を準備し、その合成活性を評価した。RIラベルの取り込みが若干ながら見られた。
|
Research Products
(8 results)