2008 Fiscal Year Annual Research Report
細胞壁多糖のインビトロ合成とそのキャラクタリゼーション
Project/Area Number |
19208017
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
杉山 淳司 Kyoto University, 生存圏研究所, 教授 (40183842)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今井 友也 京都大学, 生存圏研究所, 准教授 (90509142)
馬場 啓一 京都大学, 生存圏研究所, 助教 (20238223)
|
Keywords | セルロース試験管内合成 / BY-2 / ブラックベリー / 藻類Micrasterias / 酢酸菌 / BcsA、BcsB / 膜タンパク質 / c-di-GMP |
Research Abstract |
昨年度までの様々な試料によるセルロースの試験管内合成系の取り組みを、対象を絞って進めた。すなわち植物や藻類で試験管内合成を行うとともに((1)、(2))、発現系で得られる酢酸菌のセルロース合成酵素による試験管内合成系を目指した実験を開始した((3)、(4))。 (1)タバコ培養細胞(BY-2)を用いる実験を引き続き行うとともに、セルロース試験管内合成の報告のあるブラックベリーの培養細胞の樹立を試みている。 (2)植物により近縁で、細胞壁にβ1→3-グルカンを持たない藻類Micrasteriasを試料として、その細胞膜画分を用いた試験管内合成を試みた。その結果、電子顕微鏡観察で幅約10nmの繊維が形成されることが明らかとなった。この産物のキャラクタリゼーションを現在進めている。 (3)酢酸菌のセルロース合成酵素は複数のタンパク質からなる複合体であり、特にそのうちBcsAとBcsBが試験管内合成には必要であると考えられている。そこでBcsAとBcsBの大腸菌による共発現系構築を試み、膜タンパク質にキチンとフォールドした形で発現させることに成功した。なお我々の知る限り、このBcsABの大腸菌発現系は世界で唯一の大腸菌発現系である。 (4)酢酸菌でのセルロース試験管内合成系を構築するために必要な、セルロース合成活性の促進因子であるc-di-GMP(環状二グアニル-リン酸)の酵素合成系を確立した。
|
Research Products
(11 results)