2008 Fiscal Year Annual Research Report
DNA損傷による複製フォークの進行阻害に対する細胞応答
Project/Area Number |
19209003
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
花岡 文雄 Gakushuin University, 理学部, 教授 (50012670)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
益谷 央豪 大阪大学, 大学院・生命機能研究科, 准教授 (40241252)
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Keywords | 遺伝子 / 癌 / DNA複製 / 放射線 / ゲノム / クロマチン |
Research Abstract |
研究代表者および研究分担者は、細胞が損傷によってDNA複製を阻害された場合、どのようなシグナルによってどの経路を選択するのかという点を中心に、細胞のDNA損傷への応答メカニズムの分子基盤を明らかにすることを目的として研究を行い、以下にまとめるような知見を得た。 1.酵母2ハイブリド・スクリーニング法により、ヒトPolηと相互作用するタンパク質としてミスマッチ修復因子であるMLH1を見出した。組換えタンパク質を作成し、PolηとMLHlとが直接結合することを示した。MLH1とPMS2のヘテロダイマーであるMutLαとPolηとが結合すること、またPolηがミスマッチ修復でミスペア認識に働くヘテロダイマーであるMutSαとも細胞内で同一複合体中に含まれることを見出した。さらにクロマチン上でのPolηとMutLα、およびMutsαの相互作用がS期に増加することを示し、Polηとミスマッチ修復因子がS期にクロマチン上で協調して働いていることが示唆された。 2.Polηは細胞周期や紫外線照射による量的な変動は顕著でなく、翻訳後修飾によってその機能が調節されている可能性が高い。そこでリン酸化に着目し、予想リン酸化部位にアミノ酸置換変異を与え、その影響を調べた。その結果、S587のリン酸化が紫外線照射後のPolηの機能発現に重要であることを見出した。グルタミン酸への変異によりリン酸化をミミックした変異体でその感受性が部分的に回復したことから、おそらくS587がリン酸化を受けることがPolηの機能を正の方向へ制御する重要な反応であると予想される。 ただし相補が部分的なことから、別の機構も考える必要がある。
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Research Products
(4 results)