2009 Fiscal Year Annual Research Report
DNA損傷による複製フォークの進行阻害に対する細胞応答
Project/Area Number |
19209003
|
Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
花岡 文雄 Gakushuin University, 理学部, 教授 (50012670)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
益谷 央豪 大阪大学, 生命機能研究科, 准教授 (40241252)
|
Keywords | 遺伝子 / 癌 / DNA複製 / 放射線 / ゲノム / 細胞周期 |
Research Abstract |
研究代表者および研究分担者は、細胞が損傷によってDNA複製を阻害された場合、どのようなシグナルによってどの経路を選択するのかという点を中心に、細胞のDNA損傷への応答メカニズムの分子基盤を明らかにすることを目的として研究を行い、以下にまとめるような知見を得た。 1. Pol η (1-511)断片は、完全長のPol ηと同様、XP-V細胞の紫外線感受性を相補出来る。この断片にユビキチン結合候補ドメインであるCUEドメインへの変異を導入した変異体をXP-V細胞で安定発現させたところ、ベクター導入細胞と同程度の非常に高い紫外線感受性を示した。実際に、この変異体タンパク質は、モノユビキチン化PCNAとの結合能を失なっていた。このことから、Pol η (1-511)断片においても、モノユビキチン化PCNAとの結合が紫外線に対する抵抗性に重要であることが示された。 2. 出芽酵母では、REV1は細胞周期依存的に発現量が変わり、またリン酸化による制御を受けていると報告されているが、その生理的意義はまだ明らかにされていない。我々はノコダゾールを用いて分裂期に同調したヒト細胞の抽出液をSDS-PAGEにより展開し、REV1が高分子量側にシフトする現象を見出した。一方、ノコダゾールを除き同調を解除すると、分裂期細胞の減少に伴って、シフトするREV1も減少した。このことからヒトREV1は分裂期特異的に翻訳後修飾を受けていると考えられる。このシフトはフォスファターゼ処理により消失したことから、リン酸化であることが示された。
|
Research Products
(4 results)