2007 Fiscal Year Annual Research Report
出生コホート研究による環境化学物質の次世代影響ならびに遺伝環境交互作用の解明
Project/Area Number |
19209024
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
岸 玲子 Hokkaido University, 大学院・医学研究科, 教授 (80112449)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐田 文宏 北海道大学, 北海道立衛生研究所, 主任技師 (90187154)
吉岡 英治 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助手 (70435957)
坂 晋 北海道大学, 大学院・医学研究科, リサーモレジデント (30399828)
中島 そのみ 札幌医科大学, 保健医療学部, 講師 (70325877)
佐々木 成子 北海道医療大学, 歯学部, 助教 (30448831)
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Keywords | 母子保健 / 環境化学物質 / 次世代影響 / リスク評価 / 神経発達 / 遺伝環境交互作用 / 出生体重 / 出生コホート |
Research Abstract |
1.小児の出生児体格、神経発達、アレルギーと内分泌かく乱物質の影響を検討する目的で、妊婦と小児を対象に前向きコホート研究を実施している。妊娠26〜35週の妊婦514名を対象に、ベースライン時、1歳6ケ月時、3歳6ケ月時の食習慣・生活習慣・職業歴・住環境・育児環境等を詳細に調べた。 2.今年度、母体血中ダイオキシン類濃度測定100検体を追加終了し、総数370名の測定が終了した。解析の結果、母体血中ダイオキシン類濃とSGAの関連では、Total PCDDs(OR;1.51)、Total PCDFs(OR;1.36)、Total PCDDs/PCDFs(OR;1.52)において有意なオッズ比の上昇が見られた。母体血中PFOS・PFOA濃度と出生体重との検討では、PFOS濃度のみにて有意な負の関連が見られ、男女別に層化したところ女児のみで有意な負の関連が見られた。 3.Kaufman Assessment Battery for Childrenを使った小児の神経行動発達検査は、生後6ケ月時、1歳6ケ月時の検査が全て終了し、現在3歳6ケ月時の児約3/4が終了しており、同時に母に対して簡易版知能検査WAIS-Rを行い追跡調査中である。 4.環境化学物質と児の免疫・アレルギー疾患への影響を検討するために臍帯血IgEの測定のほか、ATS-DLDおよびISSACの調査票を用いて1歳6ケ月時・3歳6ケ月時に喘息・アトピー性皮膚炎の有病率を調査している。母体血中ダイオキシン濃度と臍帯血IgEとの検討では関連は認められなかった。 5.たばこ煙中化学物質に対する遺伝的感受性素因と胎児発育の関係を検討した結果、喫煙妊婦がNQO1遺伝子C/C型の場合に出生体重、身長および頭囲が有意に減少し、CYP2E1遺伝子G/G型では出生体重に有意な減少が認められた。一方,非喫煙妊婦では遺伝子多型による有意な関連は認められなかった。
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