2009 Fiscal Year Annual Research Report
考古遺跡調査への情報技術導入実験ーエジプト・アルザヤーン神殿遺跡
Project/Area Number |
19254002
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
亀井 宏行 Tokyo Institute of Technology, 大学院・情報理工学研究科, 教授 (60143658)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 眞紀子 首都大学東京, 大学院・都市環境科学研究科, 教授 (10175119)
菱田 哲郎 京都府立大学, 文学部, 教授 (20183577)
塚本 敏夫 (財)元興寺文化財研究所, 研究部, 保存科学研究室長 (30241269)
金谷 一郎 大阪大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (50314555)
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Keywords | エジプト / アルザヤーン神殿 / デモティック / ALOS衛星画像 / 水環境 / 保存環境 / 3次元レーザスキャナ / ICタグ |
Research Abstract |
1. アルザヤーン神殿西側の発掘調査では,前年までに発見されていた窯状遺構の解明を目指し,発掘を継続した。北側に10m×10m,東側に10m×5mのトレンチを開け,住居跡を発見した。デモティクを記した土器片も発掘された。神殿内の調査では,門から至聖所にいたる床面のクリーニングを行い,3次元レーザスキャナで記録を行った。また過去に取り残した碑文の3次元記録も行った。 2. 観測衛星「だいちALOS」のAVNIRセンサと高解像度PRISMセンサを合成したパンシャープン画像を基図に,これまでの現地調査によって得られた地理情報と画像解析情報を結合させて,ハルガオアシス,アルザヤーン神殿とグヴェイタ神殿立地と水環境に着目した環境地図の作成を試みた。その結果,今日の発達を可能にした水開発の発端は2つの神殿への導水を意図した古代の水事業であることが推論された。 3. 保存環境調査では,前年度に引き続き神殿内,及びストアルーム,発掘現場の温湿度計による計測を継続した。また,前年度設置した気象ステーションのデータ回収を行った。さらに,赤外線サーモグラフィによる神殿の門入り口と西壁および発掘現場での定点観測を行い温度分布の日変化を記録した。また粘土供試体による2×4水準の試験片を作製し,暴露試験片として神殿の4ヵ所に設置した。 4. 一昨年度日干レンガに埋込んで2年間放置したICタグ,および温湿度計に添付したICタグについて,読み取り実験を行い,紛失した2点を除きすべて読み取り可能なことを確認した。遺物管理にICタグを利用する試みでは,神殿で発掘された遺物の管理用データベースを構築し,遺物にICタグを添付して管理する実験を開始した。大規模な実験として,大阪京都両府にまたがる樟葉平野山瓦窯跡から出土した瓦片1700点余りを対象とした遺物管理システムを構築した。
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Research Products
(10 results)