2010 Fiscal Year Annual Research Report
考古遺跡調査への情報技術導入実験―エジプト・アルザヤーン神殿遺跡
Project/Area Number |
19254002
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
亀井 宏行 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 教授 (60143658)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 眞紀子 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 教授 (10175119)
菱田 哲郎 京都府立大学, 文学部, 教授 (20183577)
塚本 敏夫 (財)元興寺文化財研究所, 研究部, 保存科学研究室長 (30241269)
金谷 一郎 大阪大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (50314555)
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Keywords | ICタグ / 遺物管理 / 保存環境 / 結露 / エジプト / オアシス / サーモグラフィ |
Research Abstract |
1.ICタグの実用化実験では,平成19年12月に神殿近傍の日干レンガ建物に埋込んだ耐候型ICタグ(スカイメタル),および神殿内に設置した温湿度計に添付した同ICタグ(スカイメタル)について,3年経過後も読み取り可能なことを確認した。よって屋外の建物の修復履歴の管理にもICタグが利用できることがわかった。また遺物の整理・修復作業において,遺物の破片毎にICタグ(ミューインレット)を貼付け,接合後に破片の接合関係を記録できるシステムを考案した。また,実測図などにもICタグを貼付け管理に用いた。 2.保存環境調査では,平成22年9月の盛夏における神殿の日干レンガ及び石材の表面温度の日変化について赤外線サーモグラフィによる計測を実施した。その結果,日干レンガ部での最高温度は71℃,石材部では46℃を記録し,温度格差は日干レンガの方が石材より大きく劣化しやすいことが判明した。平成19年12月に神殿内に設置した22個の温湿度計を平成22年12月に回収し,3年間の温湿度データの解析を実施した。その結果,結露の発生状況が,他の砂漠地帯で報告されている状況とは異なることがわかった。 3.平成22年9月には,アル・ザヤーン神殿近傍に居住する住民や,過去の調査に携わったインスペクターに,遺跡や周辺の過去の状況の聴き取り調査を実施した。 4.大量に出土した土器を中心とした遺物について,クリーニング・接合・写真撮影・図化を行った。 5.神殿に残る碑文の解読を実施した。 6.4年間の調査研究の成果をとりまとめ,英文の報告書「El-Zayyan,Kharga Oasis,2007-2010」(総194ページ)を編集・出版した。
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Research Products
(8 results)