2007 Fiscal Year Annual Research Report
カーボンフロー・コントロールに立脚した熱帯泥炭地ランドマネージメントの最適化
Project/Area Number |
19255016
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
井上 京 Hokkaido University, 大学院・農学研究院, 准教授 (30203235)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
波多野 隆介 北海道大学, 大学院・農学研究院, 教授 (40156344)
俵谷 圭太郎 山形大学, 農学部, 教授 (70179919)
大崎 満 北海道大学, 大学院・農学研究院, 教授 (60168903)
橋床 泰之 北海道大学, 大学院・農学研究院, 教授 (40281795)
原口 昭 北九州市立大学, 国際環境工学部, 教授 (50271630)
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Keywords | 熱帯泥炭地 / 森林火災 / 温暖化効果ガス / CO_2放出 / 森林再生 / カリマンタン / インドネシア / 国際研究者交流 |
Research Abstract |
本研究は脆弱かつ大量のカーボンを抱え込んだ生態系であるインドネシアの熱帯泥炭地を対象に、カーボンフロー・コントロールに立脚しながら、1)ランドマネージメント最適化方策を確立することによって泥炭火災を抑止し、2)荒廃した熱帯泥炭地の管理と再生をすすめ、3)熱帯泥炭地における持続的生物生産活動を確立しつつ環境負荷を軽減すること、を目標としている。 今年度は次の2グループが、インドネシア側研究者と連携をとりながら実施してきた。また「熱帯泥炭のCDM化」のワークショップを主催し、熱帯泥炭と地球温暖化の関係について議論を深め、国際社会に対する提言をまとめていく方策について議論した。 ◎カーボンフロー・モニタリング・グループ 泥炭農地土壌からのCO_2、CH_4、N_2O放出の測定を実施した。平均地下水位と泥炭分解由来のCO_2放出量との間に正の相関があり、排水に伴う水位低下が泥炭分解を促進していた。さらに、農地における泥炭分解は大量のN_2O放出を引き起こすことも示唆された。 熱帯泥炭林の火災後の回復状況を人工衛星データから解析するための地上分光反射特性を測定し解析した。 流域から河川への有機炭素負荷量を複数の河川で比較し、陸水系における炭素動態を広域的に評価するための予備調査として、域内3河川の水質調査を行った。 ◎ランドマネージメント・グループ 現地土壌に合う油糧植物、表土被覆作物、商品価値の高い遮蔽木の探索を行った。現地の20余種から3種類の高油脂含有ナッツを見いだした。 ナンヨウアブラギリ(Jatropha curcas)導入の可能性を評価するために、プランテーションの実態調査を行った。苗木は種子繁殖が有効であり、播種してから6ケ月で結実、収穫可能であった。 ポット苗木を用いた土壌水分の操作実験により、郷土樹種4種の初期成長における土壌湛水および土壌乾燥に対する耐性を評価した。Jelutung(Dyera lowii)とPulai(Alstonia sp.)の2樹種が植栽木として有望であることを明らかにした。
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Research Products
(17 results)