Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹村 彰通 東京大学, 情報理工学系研究科, 教授 (10171670)
瀧 敦弘 広島大学, 社会科学研究科, 教授 (40216809)
渋谷 政昭 慶應義塾大学, 名誉教授 (20146723)
稲葉 由之 日本統計協会, 上級研究員 (80312437)
星野 伸明 金沢大学, 経済学部, 准教授 (00313627)
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Research Abstract |
2007年5月23日に新統計法が公布され,2009年10月1日の完全施行に向け準備が進められているが,改訂の柱の1つは「統計データの利用促進と秘匿措置」である。本研究はその実現に向けて,個票データの秘匿と公開のリスク評価,表形式データの秘匿と自動秘匿プログラム作成,秘匿データの有用性の評価を目的としている。 個票データのリスク評価方法としては,標本寸法指標から母集団寸法指標を推定することが一般的で,その推定に用いられる種々の確率分割モデルについて,性質や相互関係について研究が深められた。また継続調査で得られた個票データのリスク評価に用いることのできる多重寸法指標が提案され,そのノンパラメトリック推定法についても理論構築が進んだ。確率分割モデルの多重指標への拡張についても検討が行われたが,その議論は始まったばかりである。 表形式データの秘匿方法では,特にグレブナー基底を用いたスワッピングの理論について研究に大きな前進が見られた。 これらの研究成果については統計関連学会連合大会や応用統計学会などで報告するとともに,2007年9月8日,2008年2月21日に開催した本研究の研究会でも互いに報告し合い,共通認識を持った。また2007年11月16日,17日には,統計数理研究所において研究集会「官庁統計データの公開における諸問題の研究」を開催し,この分野に関係する研究者や実務家と意見交換を行った。参加者は51名であったが,総務省など官庁からも15名の参加があり,官庁統計データの公開に関するリスク評価の報告を始めとして,新統計法の下でのデータ提供システムの提案,個票データを用いた分析の有用性を示す報告などが行われた。
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