2007 Fiscal Year Annual Research Report
神経筋シナプスにおける自発的運動にともなう可塑的変化
Project/Area Number |
19300140
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
城所 良明 Gunma University, 名誉教授 (00053083)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上野 耕平 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (40332556)
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Keywords | Ca^<2+>イメージング / Ca^<2+>チャネル / シナプス可塑性 / ショウジョウバエ / 神経筋シナプス |
Research Abstract |
今期においては以下の二つのテーマにおいて進展がみられた。 1)cacophony Ca^<2+>チャネル欠失株におけるシナプス伝達 cacophony Ca^<2+>チャネルはシナプス伝達に不可欠であるために,その欠失株は致死である。しかし幼生にまでは発育するために,幼生におけるシナプス伝達を調べた。cac欠失幼生においては,神経刺激による速いシナプス伝達は欠落していた。しかし高Ca^<2+>液中では遅いシナプス伝達がのこり,別のCa^<2+>チャネルから流入するCa^<2+>によってひき起こされていると思われる。このCa^<2+>チャネルはクモ毒PLTXIIによって抑えられるが,La^<3+>によっては抑制されない。したがって,このCa^<2+>チャネルも伝達物質放出部位の近くにあることが推定される。 2)Tubulinsはシナプス小胞リサイクリングに関与している 従来tubulinsはシナプス小胞のある部位には存在しないと考えられていたために,シナプス小胞のリサイクリングには関与していないと考えられていた。しかし,我々は以下の所見からtubulinの関与を見いだした。 a)シナプス前終末においてシナプス小胞のある部位にもtubulinは低密度ではあるが分布している。 b)Taxolによって,そのtubulinをさらに低下させると,シナプス小胞のendocytosisがある程度おさえられ,シナプス伝達も低下する。 c)tubulin遺伝子の変異体においてもendocytosisがおさえられ,シナプス伝達が低下していた。 d)温度感受性変異株,shibire,において高温においてendocytosisを阻害するとtubulinがシナプス前終末に集積した。これはdynaminの集積と関連していて,tubulinはdynaminとcomplexを作るのではないかと思われる。
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