2008 Fiscal Year Annual Research Report
神経筋シナプスにおける自発的運動にともなう可塑的変化
Project/Area Number |
19300140
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
城所 良明 Gunma University, 名誉教授 (00053083)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒見 坦 いわき明星大学, 薬学部, 教授 (30009633)
上野 耕平 財団法人東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 研究員 (40332556)
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Keywords | Ca2+チャネル / シナプス可塑性 / ショウジョウバエ / 神経筋シナプス |
Research Abstract |
本年度は、当初の研究計画に基づきシナプス機能の可塑的変化をもたらすチャネル分子の動態を追及した。シナプス前終末におけるカルシウムチャネルは、伝達物質の放出のみならずシナプス小胞のエンドサイトーシスにも不可欠である。われわれは以前に、ショウジョウバエ神経筋シナプスにおいて、カルシウムチャネルのプロッカーを用いて、二つのタイプのカルシウムチャネルがエンドサイトーシスに関与していることを見出した。シナプス活性部位のエンドサイトーシスは、R(+)BayKに感受性のあるカルシウムチャネルから流入するカルシウムによって起こる。本年度は、このタイプのカルシウムチャネルの分布を調べることに重点をおいて研究をすすめた。まず、多くのカルシウムチャネル変異体を調べ、stjcO1305という変異体において活性部位エンドサイトーシスが抑制されていることを見出した。この変異体はstj遺伝子の変異によっておこっていることからアミノ酸配列を推定し、その蛋白にたいする抗体を作った。つぎに、この抗体を用いてこの種のカルシウムチャネルがシナプス活性部位のどこに分布しているかを調べた。その結果、シナプス活性部位の一部に局在していることがわかった。このことは、エクソサイトーシスと同様に、エンドサイトーシスもごく限られた部位で起こっていることを示唆している。シナプス前終末にある第三のカルシウムチャネルの分布はいまだ未知であるが、われわれの今回の所見からシナプス活性部位周辺に局在することが予測される。そこで、今後カルシウムチャネルに対する抗体を用いてその局在を可視化することが重要である。これらのカルシウムチャネルの分布、数、機能等の変化がシナプスの可塑性におおきく関与していると思われる。
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