2009 Fiscal Year Annual Research Report
バブルリポソームと超音波によるsiRNA治療システムの開発
Project/Area Number |
19300185
|
Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
丸山 一雄 Teikyo University, 薬学部, 教授 (30130040)
|
Keywords | がん遺伝子治療 / リポソーム / 超音波 / ソノポレーション / 組織牡異的遺伝子導入 / 低侵襲 / ナノバブル |
Research Abstract |
1.siRNA効果のin vivo評価(レポータージーンを用いた評価) ルシフェラーゼ遺伝子発現腫瘍細胞を腹腔内または皮下に移植し、siRNA組込型・会合型バブルリポソームによるsiRNA導入効率を検討した。In vivoにおけるバブルリポソームおよび超音波照射条件の最適化を図った。しかしながら、十分なsiRNAの効果を発するまでに至らず、in vitroとin vivo間の超音波照射条件、バブルリポソーム投与量など至適化が必要であった。PEGの先端にトランスフェリンを結合し、癌細胞へのターゲティングについては、現在検討中である。 2.腫瘍細胞に対するsiRNA導入による抗腫瘍効果の誘導 ルシフェラーゼ遺伝子発現腫瘍細胞に対するsiRNA組込型・会合型バブルリポソームと治療用超音波照射について、siRNAの細胞内導入効果を明らかとするために,pDNAとsiRNAを同時に細胞内導入する共導入(コトランスフェクション)との比較を行った。組込型バブルリポソームでは、低用量から高用量のchol-siRNAが効率よく搭載可能で安定性が向上した。また、超音波照射に応答しキャビテーションを生じ、遺伝子発現抑制を発揮した。ある安全性の高い導入法とするためには,更なる超音波照射条件の最適化を図る必要性が考えられる。 3.ヒト膀胱癌に対するsiRNA導入による抗腫瘍効果の誘導 PLK-1(Polo-like kinase-1)は細胞周期のうちG2/M期境界及びM期に特異的に発現するセリン・スレオニンキナーゼで、細胞分裂時に紡錘体形成、染色体分離および細胞質の分裂に関与する。現在PLK-1に対するsiRNAを作成して、ヒト膀胱癌モデルで検討中である。経尿道的にsiRNA組込型・会合型バブルリポソームを投与して、体外より非侵襲的に治療用超音波照射して効果を見る。
|