2007 Fiscal Year Annual Research Report
重症呼吸不全患者に対する能動的薬剤治療を可能とする完全液体呼吸システムの開発
Project/Area Number |
19300187
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
舟久保 昭夫 Tokyo Denki University, 理工学部, 教授 (00307670)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小森 栄作 独立行政法人四国がんセンター, 臨床研究部, 医師 (40416475)
福井 康裕 東京電機大学, 理工学部, 教授 (60112877)
矢口 俊之 東京電機大学, 理工学部, 助手 (70385483)
住倉 博仁 東京電機大学, 理工学部, 助手 (20433998)
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Keywords | 液体呼吸 / 人工肺 / 重症呼吸不全 / 肺コンプライアンス |
Research Abstract |
完全液体呼吸(Total Liquid Ventilation: TLV)は酸素溶解度の高いPerfluorocarbon(PFC)という有機溶剤に酸素を付加し、空気の代わりに肺へ直接注入・排出することによりガス交換を行う新しい人工呼吸法である。これにより重症呼吸疾患に対し、肺コンプライアンスの改善、薬液を混入したPFCによる抗炎症効果、肺洗浄効果等の能動的な治療が期待できる。TLVシステムにおける人工肺は、PFCへの酸素溶存と、二酸化炭素除去を行うことが求められる。 しかしながら、従来法を用いたTLVシステムでは、気体に比べてガス拡散速度が非常に遅いため、ガス交換が十分に行われず、二酸化炭素除去が不十分であった。そこで本年度は、これまでの結果を踏まえてTLVシステムにおける二酸化炭素除去効率の向上を目的とし、従来型システムのピストンシリンダ部にローラーポンプおよび人工肺に加え再循環回路を組み込んだTLVシステムを考案し、作製した再循環型システムの二酸化炭素除去能について検討を行った。また再循環型TLVシステムを施行する際に用いる人工肺は、多目的遺伝アルゴリズム(Multi-objective Genetic Algorithm: MOGA)により設計を行い、人工肺内を流れるPFCの停滞・偏流部位を減少させた最適化モデルを用いた。その結果、従来型システムと比較して再循環型システムは、約60%の二酸化炭素除去能向上が可能となり、二酸化炭素分圧5mmHg未満まで二酸化炭素を除去でき、高いガス交換能が実現できた。次年度以降は、TLVシステムの有用性を検討するためex vivo実験を行い、改良を行ってゆく予定である。
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Research Products
(4 results)