2008 Fiscal Year Annual Research Report
重症呼吸不全患者に対する能動的薬剤治療を可能とする完全液体呼吸システムの開発
Project/Area Number |
19300187
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
舟久保 昭夫 Tokyo Denki University, 理工学部, 教授 (00307670)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢口 俊之 東京電機大学, 理工学部, 助手 (70385483)
住倉 博仁 国立循環器病センター研究所, 先進医工学センター, リサーチフェロー (20433998)
福井 康裕 東京電機大学, 理工学部, 教授 (60112877)
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Keywords | 完全液体呼吸 / 呼吸不全 / 能動的治療法 / ガス交換能 / 人工肺 / 数値流体解析 / Perfluorocarbon / 気道内圧制御 |
Research Abstract |
本研究では,酸素溶解度の高いPFC(Perfluorocarbon)を用い,生体肺に損傷を与えない安全性に優れた完全液体呼吸(Total Liquid Ventilation :TLV)システムの設計・開発を目的とした.本年度はexvivo評価による適切な呼吸条件を実現するTLVのシステム制御に関する検討およびガス交換能に優れたTLV専用人工肺の開発を行った. TLVシステムに関しては,新たに再循環型システムを考案し,日本白色ウサギ(体重:3.1±0.2kg,n=3)を用いたex vivoにおける呼吸条件の検討を行った.その結果,3体全てにおいて目標値とする3時間の施行を可能とし,さらに施行中の動脈血酸素分圧(PaO_2),動脈血二酸化炭素分圧(PaCO_2)を400mmHg以上,40mmHg前後の正常範囲内に維持することが可能であった.しかし,個体差によるPaCO_2およびPaO_2の変化量が局所的に大きくなることがあり,一定したPFCの換液(注入・排出)を行うことが困難であった.このことから生体肺におけるPFCの分布について着目し,各ウサギの生体肺に送るPFCの適切な換液条件の検討が必要であると示唆された. またTLV専用人工肺の開発に関しては,数値流体解析(Computational Fluid Dynamics :CFD)と多目的遺伝アルゴリズム(Multi-Objective Genetic Algorithm:MOGA)にて人工肺の最適化を行った.そして解析から得られたデータを基にPFCの停滞・偏流を減少し,膜部を均一な流速で流れる人工肺を試作した.In vitro実験により検証を行った結果,膜部での停滞・偏流は生じず,尚且つ,TLVに必要とされる二酸化炭素分圧(PCO_2)を常時5mmHg以下に保つことが可能なガス交換能に優れた人工肺の開発に成功した.
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[Presentation] 人工肺2008
Author(s)
舟久保 昭夫
Organizer
第24回日本人工臓器学会教育セミナー「人工臓器」
Place of Presentation
東京(東京女子医科大学)
Year and Date
2008-07-12
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