2007 Fiscal Year Annual Research Report
複雑系による拡散過程・自己組織化のモデリングとシステムリスク制御への応用研究
Project/Area Number |
19310099
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
時永 祥三 Kyushu University, 大学院・経済学研究院, 教授 (30124134)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩本 誠一 九州大学, 大学院・経済学研究院, 教授 (90037284)
中井 達 九州大学, 大学院・経済学研究院, 教授 (20145808)
高橋 規一 九州大学, 大学院・経済学研究院, 准教授 (60284551)
森保 洋 長崎大学, 経済学部, 准教授 (10304924)
池田 欽一 信州大学, 経済学部, 准教授 (10334880)
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Keywords | 複雑系 / リスク分析 / ジャンプ拡散過程 / 予測と制御 / 遺伝的手法 / サポートベクトル / 最適化 / 自己組織化 |
Research Abstract |
本研究では複雑の理論を基礎として「不確実性の新しい概念」を提案し、システムリスク制御の具体的方法を示すことを目的としている。本研究の第1年目にいては、複雑系の基礎理論の整備、拡散過程モデリング、エージェントの基礎理論に主要な課題を限定して計画を進め、今後の研究を支える基礎理論の整備と適用可能性の検証をはかった。その結果、複雑系の基礎理論の整備をはかるとともに、特に遺伝的手法の新しい展開について考察について考察よびカオス・フラクタルによる力学系の定式化あるいはこれにもとずく予測・制御可能性の検討を実施した。フラクタルの関してはマルチフラクタルによる精度の高い時系列モデルの開発を行い、カオスについては現実社会におけるカオス事象の発生をモデル化する新しいフレームワークを完成した。またエージェント理論ついて、これまでの研究の中心であった遺伝的手法による解法を深化させるとともに、新しい視点からの展開を試みた。具体的にはSupport Vector MachineとKernel-based手法による判別分析へのアプローチ、および非線形システム推定手法である粒子フィルタ(ParticleFilters)と遺伝的手法との結合・拡張について検証を進め、これらの手法の拡張により、エージェント行動をより精密に分析できるアプローチを見出した。また企業行動を代表するデータ,経済マクロデータなど不確実性をもつ現象をモデル化する基本方針としてカオス・フラクタル理論などを適用する視点から,方法論の見直しを行うとともに,分析手法の基礎を検証し,意思決定過程についても,これまでの伝統的な手法,例えばファジイ推論システム,動的計画法などを,複雑系の理論と結合することにより,更に効率的なものにする手法を展開した。
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