2009 Fiscal Year Annual Research Report
複雑系による拡散過程・自己組織化のモデリングとシステムリスク制御への応用研究
Project/Area Number |
19310099
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
時永 祥三 Kyushu University, 経済学研究院, 教授 (30124134)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩本 誠一 九州大学, 経済学研究院, 名誉教授 (90037284)
中井 達 千葉大学, 教育学部, 教授 (20145808)
高橋 規一 九州大学, システム情報科学研究院, 准教授 (60284551)
森保 洋 長崎大学, 経済学部, 准教授 (10304924)
池田 欽一 北九州市立大学, 経済学部, 准教授 (10334880)
|
Keywords | OR / 社会システム / ファイナンス / モデリング / 経営システム |
Research Abstract |
本研究では不確実性下の意思決定,リスク分析に関して複雑系理論からのアプローチを行い,ジャンプ状の変動を含む確率過程・拡散過程(Diffusion Process)を導入する問題と同時に,現実の世界を効率よく表現するエージェント理論を展開することを目的とする。これまで初年度から継続して理論的な基礎の確立,適用結果の蓄積,経済社会でのリスクモデリングとその評価手法を開発した。更に実際的なデータを用いたリスク回避の実施可能性の検証を行い,公開されている特異な現象のデータ収集および検証を実施してきた。平成21年度においてはリスク・無リスク資産による相互ヘッジの理論解析を実施した。また,積極的に企業や組織に対するヒアリングを実施しリスク分析のアプローチとその妥当性の検証や企業におけるリスク対策の現状と本研究との関連性を明らかにした。また時系列的に観測される拡散過程のほかに,インターネットへの急激な入力の投入や急激な生産拡大など,リスクをともなうシステムへの過剰なロードや市場における客のpricing変化など,システム応答の側面からリスク分析の適用を考察した。次にこれまでの基礎的な研究では,主として対象を企業のリスク管理やネットワーク運用などの,いわば目に見える形の対象であるが,市場における消費者の心理,サービス施設を訪れる市民の心理,あるいは災害や緊急事態における変動的な環境,集団の挙動を抑制するメカニズムなどへの応用を考察した。システムの挙動を観測データから推定し,カオス力学系の理論により入力を推定することにより,円滑に安定点へと移行させる制御方法を提案し発表を行った。これらの研究成果に関して海外の研究者との積極的な討論を行い,本研究の妥当性と適用可能性を検証した。
|
Research Products
(24 results)