Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
落合 英俊 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (00039679)
陳 光斉 九州大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (50293882)
大嶺 聖 九州大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (60248474)
小林 泰三 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教 (10380578)
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Research Abstract |
本研究は,地盤の補強技術,しらす地盤やまさ土地盤および非破壊診断装置に関する知識と経験を活かして,地盤補強,地盤改良,植生工を組み合わせた相乗効果の期待できる併用型地盤補強による斜面表層の侵食抵抗強化技術の提案,水理・力学指標の計測可能な非破壊表層斜面診断装置の開発,「だれでも」,「どこでも」設置が可能な簡易な斜面監視装置の開発を進めるとともに,計測結果と連動した実用的な危険度予測・監視システムの確立をめざすものである。その中で,今年度の実績の概要は以下のようである。 1.現地発生土を活かした耐侵食性,安定性,補修性に優れた補強土層の開発のための基礎実験 (1)対象とする補強土層の構成の選択と耐侵食性に与える併用型補強効果の明確化 地域性を考慮して,しらすを母材として締固め,石灰系の安定処理を併用した補強土層を対象とした実験を行った。耐侵食性に及ぼす各補強効果の影響を明確にするために,系統立てた侵食模型実験を実施した。 (2)耐侵食性に与える締固め度と生石灰,消石灰の混合効果の把握 締固め度および消石灰の混合と生石灰の混合の違いを指標にして系統立てた2種類の侵食実験を実施した。その結果として,しらすを母材とした補強土層の場合,良く締固めるほど耐侵食性が増すこと,また,消石灰を混合し締固めることで,さらに侵食抵抗が増すことを明らかにした。また,侵食抵抗と補強土層のもつせん断強さとの関連性を示した。 2.水分特性と変形特性を計測可能な携帯型非破壊斜面診断装置の開発と室内および現場での適用 水分センサー機能を有する携帯型の水分量計測装置を試作するとともに,斜面の点検に利用できる新たな非破壊斜面健全度診断装置を開発し,室内および原位置にて適用性を検証した。重要な改善点は,ロッド先端と載荷プレートを斜面上でも適用できるように工夫すること,および低コストの小型の水分センサーをいくつかの測定深さに設置できるよう工夫することのふたつである。
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