2009 Fiscal Year Annual Research Report
地盤の併用型補強技術を活かした災害に強い斜面安定化システムに関する研究
Project/Area Number |
19310123
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
安福 規之 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 教授 (20166523)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
陳 光斉 九州大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (50293882)
大嶺 聖 九州大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (60248474)
小林 泰三 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教 (10380578)
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Keywords | 斜面安定 / 補強技術 / 併用型補強 / 豪雨災害 / 気候変動 / 非破壊健全度診断 / モニタリング / 防災システム |
Research Abstract |
最終年度である今年度の研究実績の概要は以下のようである。 1. 斜面の表層を対象とした低コストで簡易な携帯型非破壊診断装置の開発と原位置地盤への適用 この2年間で開発し、改良を加えて来た装置の精度と適用限界を明確にするために,昨年度実施ができなかった大学キャンパス内の斜面への適用と防災ドクターとして踏査するいくつかの斜面を対象として,本装置の適用を試みた。その成果は、研究概要として取りまとめた。 2. 地盤内水分量とサクション値の変動を多点で同時計測可能な簡易モニタリング技術の開発 表層だけでなく,地下水面程度までの地盤内の水分保持特性が現地にて計測できる水分センサーを取り付けたモイスチャーコーンの精度を検証し,砂質土に有効な校正式を提示するとともに、サクション値を深さ方向に多点で計測できるサクションコーンを試作した。 3. 斜面全体の安定性に与える併用型の表層補強土層の効果の明確化と危険度評価指標の抽出 併用型補強を活かした補強土層を表層に有する模型斜面を各種作成し,降雨による斜面の危険度評価を昨年度試作した模型斜面実験装置を用いて系統立てて実施し,表層の補強土層の斜面安定に与える効果を検証する。その中で,斜面内の含水状態の変化,サクション値の変化,また地下水位の変化などを注意深く計測し,それらの計測結果に基づいて,危険度評価のための要因分析を行った。 4. 降雨履歴と診断結果を併用した斜面の危険度監視システムの提案 (1) モニタリングシステムの常時活用に向けての基礎データの収集 模型斜面に水分センサーとテンションメータを複数設置し,降雨実験を行い,水分量特性の経時的変化のデータを収集し,締め固めの違いが、地盤内水分の浸透・蒸発特性に与える影響を明確にした。 (2) 診断およびモニタリング結果を反映した降雨特性に基づく危険度評価手法の考え方の提案 平成21年7月の九州北部を襲った豪雨による土砂災害の事例をベースに今後検討することとした。
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Research Products
(11 results)