2008 Fiscal Year Annual Research Report
高性能RFHR・2D・PAGEのヒトプロテオミクス〜抗癌剤抵抗性蛋白を探る
Project/Area Number |
19310132
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Research Institution | Yoshida Biological Laboratry, Bio-informatics section |
Principal Investigator |
和田 明 Yoshida Biological Laboratry, Bio-informatics section, 株式会社吉田生物研究所(バイオ情報研究部門), 室長 (80025387)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 千恵子 株式会社吉田生物研究所, バイオ情報研究部門, 室長 (10175698)
上田 雅美 株式会社吉田生物研究所, バイオ情報研究部門, 研究員 (30512511)
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Keywords | 大腸癌 / 胃癌 / リボソーム / 抗癌剤抵抗性 / RFHR法 / プロテオーム / 塩基性蛋白質 |
Research Abstract |
1.前年度に引き続き、塩基性蛋白質に対して高い分離能を持つRFHR二次元電気泳動法を用いて抗癌剤抵抗性獲得による蛋白質の変化を胃癌のcell line NUGCについて調べた。細胞を磨砕後、核と核以外に分け、酢酸法で蛋白を調製した。二次元ゲル上で核画分とそれ以外の画分にそれぞれ数種類づつ、量的変化が2倍以上の蛋白質が検出された。現在それらの同定を進めている。 2.他方、前年度取り上げた大腸癌のcell line DLD1について、抗癌剤5FU抵抗性のリボソーム蛋白に与える影響をさらに詳細に調べた。その結果60Sおよび40S亜粒子に一つづつ抵抗性獲得によって増加する蛋白が見出された。この解析を進めるにあたって、研究の基盤として、ヒトリボソーム顆粒を構成するリボソーム蛋白の定義と定量が確立していなければならないが、現状はヒトゲノムの遺伝子データベースとラットの結果からの推定を除くと、報告は殆ど無きに等しい。そのため、リボソーム蛋白の本格的なプロテオーム解析に取り組んだ。その結果リボソーム蛋白約80種の定義はほぼラットの場合と一致した。さらにリボソーム顆粒に含まれるリボソーム蛋白のコピー数はリボソーム蛋白それぞれによって大きな開きがあることがわかった。ユニットコピー、つまり全ての顆粒に存在するリボソーム蛋白は約80種の6割程度にすぎなかった。結果として、一つのリボソーム顆粒が持つリボソーム蛋白の数は平均して60個に満たないことが明らかになった。 3.RFHR法は塩基性蛋白質に比べて中〜酸性領域の蛋白質の分離が十分とはいえない。主として0次元泳動の改良に取り組んできたが、まだ完成していない。これは2009年度にも引き継がれねばならない課題である。
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Research Products
(3 results)