2009 Fiscal Year Annual Research Report
高性能RFHR・2D・PAGEのヒトプロテオミクス~抗癌剤抵抗性蛋白を探る
Project/Area Number |
19310132
|
Research Institution | Yoshida Biological Laboratry, Bio-informatics section |
Principal Investigator |
和田 明 Yoshida Biological Laboratry, Bio-informatics section, バイオ情報研究部門, 部門長 (80025387)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 千恵子 株式会社吉田生物研究所, バイオ情報研究部門, 室長 (10175698)
上田 雅美 株式会社吉田生物研究所, バイオ情報研究部門, 研究員 (30512511)
|
Keywords | 大腸癌 / 胃癌 / リボソーム / 抗癌剤抵抗性 / RFHR法 / プロテオーム / 塩基性蛋白質 |
Research Abstract |
研究実施計画に基いて実験を進め、以下の結果を得た。 1.ヒトリボソームの構造、とくにリボソーム蛋白の定量的な研究が不足している。これを改善するため、RFHR二次元電気泳動法を用いてリボソーム蛋白のstoichiometryを測定した。精製リボソームから全てのリボソーム蛋白が同定され、相互の分子比が決定された。その結果、リボソーム顆粒あたりのリボソーム蛋白の平均分子数はリボソーム蛋白の種類の総数の75%程度にすぎないことが明らかになった。この結果はリボソーム顆粒の蛋白構成が極めて不均一であり、顆粒ごとに含まれるリボソーム蛋白の種類がことなっていることを示している。このような構造上の不均一性が機能にどのように反映されるかはこんごに残された興味ある課題である(投稿準備中) 2.抗癌剤5FU抵抗性獲得がリボソームに与える影響を調べるため、RFHR二次元電気泳動法でDLD1のリボソーム蛋白を5FU抵抗性の有無で比較した。その結果3種のリボソーム蛋白が耐性獲得によって減少することが明らかになった。今後、この変化の意味をリボソームの機能に与える影響とリボソームから遊離したリボソーム蛋白の新たな機能の両面から明らかにしなければならない(投稿中)。 3.胃がん細胞株NUGCに対して同様の手法で5FU抵抗性による蛋白の変化を調べた。その結果数種の塩基性蛋白に有意な変化が観察され、3種が同定された(投稿準備中)。 4.水冷型RFHR法の0次元ゲルのシステムを改善する努力を行った。塩基性領域または中酸性領域に絞った泳動を行う場合、0次元ゲルを直接1次元ゲル上にゲル化させることによって、挿入される0次元ゲルと1次元ゲルの間に生ずるロスを防げることがわかり、RFHR法の定量性をさらに向上させることができた。
|
Research Products
(11 results)