2009 Fiscal Year Annual Research Report
西部大開発と中国社会主義市場経済のサステナビリティー
Project/Area Number |
19310161
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Research Institution | Osaka University of Economics |
Principal Investigator |
山本 恒人 Osaka University of Economics, 経済学部, 教授 (60140183)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細川 大輔 大阪経済大学, 経済学部, 教授 (20411382)
宋 仁守 大阪経済大学, 経済学部, 准教授 (20197031)
藤川 清史 名古屋大学, 国際開発研究科, 教授 (60190013)
松岡 憲司 龍谷大学, 経済学部, 教授 (40141668)
田中 英夫 北海道情報大学, 情報メディア学部, 教授 (90326570)
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Keywords | 中国経済 / 持続可能性 / 西部大開発 / 西部=華南=北越経済圏 / 産業集積と産業移転 / 環境保全 / 社会開発 / 国際研究者交流 |
Research Abstract |
1.当研究は中国四川省社会科学院劉世慶教授およびベトナム社会科学院中国研究所ドー・ティエン・サム所長を研究パートナーとして得ることによって、現地調査<ハノイ、北部湾地域、成都、重慶>、学術交流会<ハノイ、成都>やフォーラム<南寧>への参加を進め、国際シンホジウムの開催<大阪>によって研究総括を行う形式を取った。 2.中国が外需・投資主導型発展戦略から,内需・消費主導型へ転換を始めている中で,西部大開発のための環境が好転していることは評価できる。しかし,それが直ちに沿海部とくに華南地方内・外資が西部に向かうわけではなく、「華南の南進」単独ではなく《華南-西部-ASEAN》の連携発展への意識的追求が望まれる。 3.2009年の研究では,資源優位の西部地域と中央企業の連携による開発-「内蒙古」モデルか特殊なものであり、現地への経済波及効果の政策的追求や地道な産業集積への努力が不可欠であることの認識を深めた。重慶進出日系企業に対するアンケート調査は、自動車産業を始めとする進出企業が西部開発政策のもとでの投資環境をどのように評価しているかを明らかにするためのものであり、投資環境の緩やかな好転を確認した。また、経済開発と環境保全の両立は持続的発展の重要課題であり、少なくとも政策的認識の面では東部沿海部の既存開発に比べ課題意識は強い。 4.「華南の南進」の側面でも、《華南-西部-ASEAN》の連携発展の側面でも中越経済関係の深まりは注目される。貿易面でも資本進出面でも双方の依存関係は強化の一途を辿っており、あたかも中国は後発ベトナムに対する「先進国」の様相を呈している。北部湾開発や大メコン河流域地域協力(GMS)への西部地域の関与が注目される。
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Research Products
(29 results)