2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19320003
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
加藤 信朗 Tokyo Metropolitan University, 都市教養学部, 名誉教授 (60083200)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
甲斐 博見 首都大学東京, 都市教養学部, 教授 (90091230)
中畑 正志 京都大学, 文学研究科, 教授 (60192671)
岩田 靖夫 東北大学, 文学研究科, 名誉教授 (30000574)
神崎 繁 専修大学, 文学研究科, 教授 (20153025)
川出 良枝 東京大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (10265481)
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Keywords | 政治哲学 / アジア的視点 / プラトン / アリストテレス / 『国家』 / 『法律』 / 『政治学』 / 国際研究者交流 |
Research Abstract |
本研究の研究主題であるプラトン『国家』篇、『法律』篇、アリストテレス『政治学』という古典期ギリシャにおいて成立した政治哲学に関する三大著作のうち、平成20年度は『法律』を中心に研究に取り組んだ。 そのため、何よりもまず、『法律』篇そのものがもつ固有性を解明することに努めたが、それと併せて、『国家』篇との異同を構成上、内容上の両観点から攻究し、古典期におけるギリシャ政治哲学の全貌、さらにそれが人類一般の平和なる共生の秩序の構築に関して、いまなお有する「理念」としての普遍的意義を解明した。これらの攻究は、プラトン政治哲学成立初点の全体構造を究明するとともに、プラトン哲学内の(中期と後期ないし最終期の間の)連続・非連続というプラトン哲学解釈上論争の問題の精査を通じて行われた。また、アリストテレス『政治学』との関連、リュシアスをはじめとする弁論家との関係、当時の政治的現実との関連等にも着目し、さらに考究を深めた。 関連する課題として、『法律』が後代に対して、それぞれの時代、それぞれの地域で、どのように受容され、また、それぞれの時代の政治理念としてどのような影響を与えたのかを精細に検討した。それは、ヘレニズム、ローマ、イスラムにおけるギリシャ政治哲学の受容と展開、ギリシャ政治哲学を見るアジア的視点の考察など、多角的な問題を視野に入れて行われた。 なお、これらの研究の遂行するに当たり、2日間にわたる研究集会(全体集会)で、研究分担者による成果発表・意見交換を行うとともに、内外で評価が高い外国研究者を招聘し、講演会・研究発表会を開催したことを申し添える。
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