エコノミー概念の倫理思想史的研究

2009 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 19320005
• Research Institution: Tokyo Keizai University
• Principal Investigator: 麻生 博之 Tokyo Keizai University, 経済学部, 准教授 (50317905)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 浅見 克彦 和光大学, 表現学部, 教授 (10175854) ; 荒谷 大輔 江戸川大学, 社会学部, 准教授 (40406749) ; 冠木 敦子 桜美林大学, 法学・政治学系, 講師 (00369414) ; 城戸 淳 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (90323948) ; 馬渕 浩二 中央学院大学, 商学部, 准教授 (70360089)
• Keywords: エコノミー / 倫理学 / 哲学 / 社会思想史 / 経済学 / 経済学史 / 経済と倫理

Research Abstract

研究最終年度である本年度も、まず一方では、研究代表者・研究分担者それぞれが「エコノミー」概念にかかわる倫理思想史的な諸問題をめぐり、各自の専門領域にそくした基礎的研究を行なった。
また各自の基礎的研究と平行して、当面の研究成果を共有し、当該研究課題をめぐる議論を深化させるための場として、数回の研究会を実施した。第1回研究会(2009年5月)では研究者代表者の麻生博之(東京経済大学:報告名「「エコノミー」概念の思想史的再構成に向けて」)、研究分担者の荒谷大輔(江戸川大学:報告名「経済論研究の射程--近世における自然概念革新との関係を中心に」)、第2回研究会(2009年10月)では研究分担者の浅見克彦(和光大学:研究会題名「『サイボーグとヒューマニティ』を読む」)、第3回研究会(2009年12月)では研究分担者の城戸淳(新潟大学:報告名「弁神論における幸福のエコノミー」)らによる報告等が行なわれた。
さらに、研究代表者の麻生が中心となり、何人かの研究分担者および研究協力者とともに分科会を実施し(昨年度から継続)、西洋思想史の幅広い文脈における「エコノミー」概念の概念史的研究を行なった(計8回:会議費を使用)。
本年度は本研究の最終年度にあたるため、「研究成果報告書・補足論集」を作成し、これまでの研究諸成果をとりまとめた。同「論集」には、研究分担者・協力者の論文を収めたほか、上記の分科会における研究成果となる「「エコノミー」概念・原典資料集」を掲載した。(同「論集」は関係研究機関へ発送・配布する等のかたちで公表を行なう。)
なお、当該研究課題を円滑に遂行するために、資料収集・整理等、また研究会運営に関わる諸事務等の仕事を、謝金を用いて研究協力者に依頼した。

Research Products

• [Journal Article] 身体のエコノミー (2010)
  • Author(s): 浅見克彦
  • Journal Title: エコノミー概念の倫理思想史的研究〔課題番号1932005〕平成19年度～平成21年度科学研究費補助金(基盤研究(B))研究成果報告書・補足論集 Pages: 2-19
• [Journal Article] Economie libidinale dans le monde economique : formation de lasouverainete chez J. Lacan (2010)
  • Author(s): 荒谷大輔
  • Journal Title: エコノミー概念の倫理思想史的研究〔課題番号1932005〕平成19年度～平成21年度科学研究費補助金(基盤研究(B))研究成果報告書・補足論集 Pages: 65-75
• [Journal Article] 弁神論における幸福のエコノミー-ライプニッツのオプティミズムからカントの最高善へ- (2010)
  • Author(s): 城戸淳
  • Journal Title: エコノミー概念の倫理思想史的研究〔課題番号1932005〕平成19年度～平成21年度科学研究費補助金(基盤研究(B))研究成果報告書・補足論集 Pages: 44-56
• [Journal Article] 初期レヴィナスにおける「女性的なもの」(le feminin)と「存在のエコノミー」 (2010)
  • Author(s): 中真生
  • Journal Title: エコノミー概念の倫理思想史的研究〔課題番号1932005〕平成19年度～平成21年度科学研究費補助金(基盤研究(B))研究成果報告書・補足論集 Pages: 76-90
• [Journal Article] 労働と生存のエコノミー (2010)
  • Author(s): 馬渕浩二
  • Journal Title: エコノミー概念の倫理思想史的研究〔課題番号1932005〕平成19年度～平成21年度科学研究費補助金(基盤研究(B))研究成果報告書・補足論集 Pages: 20-33
• [Journal Article] (2010)
  • Author(s): 馬渕浩二(共編著)
  • Journal Title: 倫理学の地図(このうち「第5章倫理空間の地形図」を馬渕が単独執筆)(ナカニシヤ出版)(篠沢和久・馬渕浩二編) Pages: 145-174
• [Journal Article] 神の現存在の宇宙論的証明に対するカントの批判について (2009)
  • Author(s): 城戸淳
  • Journal Title: 新潟大学人文学部『人文科学研究』 125 Pages: 1-31
• [Journal Article] (2009)
  • Author(s): 麻生博之(共著)
  • Journal Title: 日本哲学小史--近代100年の20篇(このうち「梅本克己「人間的自由の限界」」を麻生が単独執筆)(中央公論新社)(熊野純彦編著) Pages: 280-287
• [Journal Article] (2009)
  • Author(s): 荒谷大輔(共著)
  • Journal Title: 日本哲学小史--近代100年の20篇(このうち「田邊元「社会存在の論理」」を荒谷が単独執筆)(中央公論新社)(熊野純彦編著) Pages: 256-263
• [Journal Article] (2009)
  • Author(s): 冠木敦子(共著)
  • Journal Title: 現代哲学の名著--20世紀の20冊(このうち「デリダ『法の力』」を冠木が単独執筆)(中央公論新社)(熊野純彦編著) Pages: 224-233
• [Journal Article] (2009)
  • Author(s): 馬渕浩二(共著)
  • Journal Title: 現代哲学の名著--20世紀の20冊(このうち「レーヴィット『共同存在の現象学』」を馬渕が単独執筆)(中央公論新社)(熊野純彦編著) Pages: 162-171
• [Journal Article] (2009)
  • Author(s): 馬渕浩二(共著)
  • Journal Title: 日本哲学小史--近代100年の20篇(このうち「戸坂潤「空間論」」を馬渕が単独執筆)(中央公論新社)(熊野純彦編著) Pages: 222-229
• [Presentation] 弁神論における幸福のエコノミー-ライプニッツのオプティミズムからカントの最高善へ (2009)
  • Author(s): 城戸淳
  • Organizer: 哲学/倫理学セミナー・第62回例会
  • Place of Presentation: 文京区民センター
  • Year and Date: 2009-12-19
• [Presentation] カントにおける幸福のパラドクス-幸福主義批判と最高善とのあいだ (2009)
  • Author(s): 城戸淳
  • Organizer: 日本カント協会・第34回学会
  • Place of Presentation: 立正大学
  • Year and Date: 2009-11-21
• [Presentation] 「エコノミー」概念の思想史的再構成に向けて (2009)
  • Author(s): 麻生博之
  • Organizer: 哲学/倫理学セミナー・第57回例会
  • Place of Presentation: 芝浦港南区民センター
  • Year and Date: 2009-05-23
• [Presentation] 経済論研究の射程--近世自然概念革新との関係を中心に (2009)
  • Author(s): 荒谷大輔
  • Organizer: 哲学/倫理学セミナー・第57回例会
  • Place of Presentation: 芝浦港南区民センター
  • Year and Date: 2009-05-23