2009 Fiscal Year Self-evaluation Report
Regional Characteristics of text-disseminations and human relocations in the history of Chinese and Indian religions with special reference to Buddhism
Project/Area Number |
19320010
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Indian philosophy/Buddhist studies
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
FUNAYAMA Toru Kyoto University, 人文科学研究所, 教授 (70209154)
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Project Period (FY) |
2007 – 2010
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Keywords | 仏教学 / 中国哲学 / 宗教文献 |
Research Abstract |
本研究は中印交渉史の観点から、紀元後5世紀から9世紀頃を中心に、中国と、中国に関わる限りでのインドにおけるテクストの成立伝播問題に着目し、もの・情報としてのテクストがどのように具体的に移動したか、人物の移動といかに連動するかの解明を目指す。研究期間は4年である。インドのナーランダー、カシュミール、ウッジャイニー、ガンダーラ等の諸地域の宗教的地域特性とグプタ朝、パーラ朝等王朝との関係、および、中国の長安、洛陽、建康(南京)、広州、成都、荊州、姑臧(武威)、敦煌等の諸地域の特性とその相互交渉、南北朝期の人物移動のあり方、書物の伝播経路等について、諸地域の共通性と差異性を仏教を中心に考察することにより、仏教思想関連の動向を可能な限りリアルかつ動態的、多角的に把握することを使命とする。そのために明らかにすべき事柄として以下を行う-6世紀以降の中国仏教史において重要となるインド唯識思想の輸入と伝播のあり方という問題を、6世紀のインド僧である真諦三蔵の事跡と彼らの活動のもとになったインドの唯識系大乗仏教、そしてそして7世紀以降への影響、またそれに先行する5世紀の戒律文献の成立と流伝等を軸として多角的に分析し、人物の移動ルートを確定し、同時代主要各地の地域特性と諸地域の人物出入およびその意義を考察する。また5~9世紀の中国仏教関連原典における書物の伝播と人物移動データを網羅的に集成する。以上を行うことにより明らかになし得るテクストの成立地と伝播地に関する情報は、文献を正しく読み解くことと直結する。本研究は、思想という形のみえない文化現象が、当時の社会の中にどのように存在したかを知るための視座を提供しようとするものである。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article]2007
Author(s)
稲葉穣
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Journal Title
ヤカウラングとリバーテ・カルヴァーン―バザーラジャート北部の歴史地理、オリエント 50-1
Pages: 177-183
Peer Reviewed
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