2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19320014
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
高島 淳 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (40202147)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
峰岸 真琴 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (20183965)
澤田 英夫 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 准教授 (60282779)
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Keywords | 宗教学 / ヒンドゥー教 / アンコール / チャンパー / 刻文 / サンスクリット語 / 国際研究者交流 / カンボジアタイ |
Research Abstract |
1.アンコール期の宗教状況について問題となるいわゆる「デーヴァラージャ」信仰についてのもっとも重要な碑文の発見地であるスドック・カク・トム遺跡(タイ領内)およびカンボジア領内において隣接する最重要の遺跡であるバンテアイ・チュマールの現地調査を行なった。その結果、アンコール王国の中心に対して西方に位置するこの地方が、決して辺境と捉えられるべき地方ではなく経済的にも重要な地方であったと推測できることなど、スドック・カク・トム碑文の理解に大いに貢献してくれるような実地調査に基づく知見を得ることができた。 2.チャム文字およびクメール文字碑文の画像データベースについて画像の追加や検索システムの改良などを行なった。 3.サンスクリット語碑文データのデータベースに基づいていわゆる「デーヴァラージャ」信仰など宗教的観念の分析を進めた結果は、カンボジア的な変容はあるものの基本的には比較的素直な形でのインドからのシヴァ教信仰、特に初期のシャイヴァ・シッダーンタ派、の移入を示していることを確認できた。これは、クメール文化の独自性を強調したいという客観的ではないバイアスによる従来のアンコール研究の偏見とも言える見解を覆す重要な研究成果である。
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Research Products
(5 results)