Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮下 志朗 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (90138610)
山田 広昭 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (40210471)
鍜治 哲郎 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (30135818)
西中村 浩 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (80218172)
田尻 芳樹 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 准教授 (20251746)
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Research Abstract |
・翻訳の実践態としては,次のような成果が特筆に値しよう。 ラブレー『第三の書』ちくま文庫,モンテーニュ『エセー3』白水社(いずれも,宮下志朗訳)。前者は渡辺一夫訳以来,約半世紀ぶりに出現した清新な新訳として称賛されており,その第3巻目である。後者は,最近,本来の底本として急速に評価を高めている,グルネー嬢編の1595年版に依拠した翻訳として,また,しかるべき読みやすさを追求した新訳として,評価されている。 ・「多言語状況と翻訳」という研究課題については,次の国際集会を挙げておきたい。 研究分担者山田広昭が組織する,日本学術振興会受託研究「文学・芸術の社会的統合機能の研究」(LAC)主催の国際シンポジウム「文学とテロル」に,本科研も共催の形で参加した.第1部「20世紀イギリス文学におけるテロリズム」(司会は当科学研究費の共同研究員,田尻芳樹)のゲストとして,ロンドン大学教授ロバート・ハンプソン氏を当科学研究費で招聘した。ハンプソン教授はジョゼフ・コンラッド研究の世界的権威であり,シンポジウムでは「コンラッド,アナキスト,ヴィクトリア朝ロンドンの治安維持」と題して,コンラッドの長編『密偵』に描かれたアナーキストの活動とその背景について刺激的な発表をしていただいた。また,一橋大学の中井亜佐子氏の「文学はテロリズムを生むか?-ラシュディ事件再考」,津田塾大学の秦邦生氏の「「行為によるプロパガンダ」-前衛と爆弾的想像力」という発表や,質疑応答も含めて,充実した場を持つことができた。なおハンプソン教授には,12月17日にもLAC国際セミナーで,「コンラッドとポストコロニアリズム」というタイトルで,『闇の奥』を中心として,異文化理解やポストコロニアル的読解にまつわる問題点を論じていただいた。
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