Research Abstract |
本年度は,昨年度に引き続き,参加研究者それぞれが研究している言語について,その類型的特徴点について,類型論的観点からの整理・分析を進めた。 それに加えて,代表者渡辺と分担者沈は,夏期にそれぞれスライアモン語(カナダ)と中国語方言(中国)について,現地調査をおこない新たな言語データを得た。研究会としては2009年3月に集まり進捗状況と次年度の予定について話し合った。 代表者渡辺は,夏期にはカナダ,バンクーバーにて海外共同研究者のパトリシア・ショーと,そしてそのショーと,同じく海外共同研究者のマリアン・ミスンと1月にアメリカ,サンフランシスコ(アメリカ言語学会・アメリカ先住民諸語学会)にて直接会い,本研究の現状と今後の方向性等について意見交換をし,次年度の予定を話し合った。 本研究の参加研究者は本年度一年を通して相互に連絡を取り合い,情報・意見交換と議論をおこなった。代表者渡辺からは分担者に対し,議論のたたき台となる論考を送付し,それをもとに各自が次年度も見据えた検討をおこなった。本研究のように,タイプが異なる言語を専門とした研究者間の交流・共同研究は,そのタイプの差のために,なかなか実りある展開を見せにくいものである。しかし,本研究参加者はそのなかでも議論の共通の基盤を探り,相互の比較対象を展開させていこうとしている。 本研究課題の成果の一部として,代表者・分担者はさまざまな形で多くの研究発表をおこなった。
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