2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19320068
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Research Institution | Okinawa International University |
Principal Investigator |
高橋 俊三 Okinawa International University, 総合文化学部, 教授 (40088779)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西岡 敏 沖縄国際大学, 総合文化学部, 准教授 (30389613)
狩俣 繁久 琉球大学, 法文学部, 教授 (50224712)
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Keywords | 言語学 / 日本語学 / 琉球方言 / 八重山方言 / 言語地理学 |
Research Abstract |
初年度の平成19年度は、研究代表者、研究分担者、研究協力者が石垣市真栄里、川平、白保、伊原間、竹富町(西表島)、干立、舟浮に赴いて聞き取り調査を行なった。石垣島の安良集落は明治45年に廃村になり最後の話者も数年まえに亡くなられたが、調査済データの存在を確認し、言語地図に反映できることとなった。川平、伊原間、黒島、網取は話者の健康、多忙、その他の理由で調査が終了できず、20年度に持ち越されることになった。また、調査済地点の方言データのパソコンへの入力を行ない、言語地理学的研究の基礎となる言語地図350枚の試作を分担して行なった。形容詞語尾の形式に焦点をあてて試作した言語地図から、ku連用形を要素にもつhaN語尾系形容詞を有する地点と、sa連用形を要素にもつsaN語尾系の形容詞を有する地点とがあり、そのことによって八重山方言を下位区分できる可能性のあることが指摘された。また、「一昨日」にオトツイ系の語形とオトトイ系の語形があり、その語形の分布からも従来の八重山方言の下位区分とはことなる分布がみられ、新たな下位区分が可能なのではないかという指摘もあった。しかし、他の言語現象との整合性なども加味しつつ総合的、かつ全体的に検討すべきことが確認された。広い海域に島が点在する一方で、石垣島南側の地域で集落が混みあっていて、記号を地図上に効果的に表示するうえで支障になっていることが言語地図を試作したことによってわかった。その解決も20年度に持ち越された。
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