2007 Fiscal Year Annual Research Report
前近代東アジアにおける文書とその伝来に関する比較史的研究
Project/Area Number |
19320098
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
坂上 康俊 Kyushu University, 大学院・人文科学研究院, 教授 (30162275)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐伯 弘次 九州大学, 大学院・人文科学研究院, 教授 (70167419)
浜田 耕策 九州大学, 大学院・人文科学研究院, 教授 (40137881)
川本 芳昭 九州大学, 大学院・人文科学研究院, 教授 (20136401)
伊藤 幸司 九州大学, 山口県立大学国際文化学部, 准教授 (30364128)
舩田 善之 九州大学, 大学院・人文科学研究院, 講師 (50404041)
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Keywords | 文書 / 東アジア / 前近代 / 様式 / 伝来 |
Research Abstract |
本研究は、前近代東アジアで用いられた文書の系譜的関係の研究と、伝来の様相の比較研究とを柱とする。 本年度は、中国史の分野における先行研究文献のデータの集成と石刻史料の現地調査、日本史の分野における近世史料(松浦家文書等)調査を遂行する一方で、国際間の文書の往復の際に発生する諸事件や文書様式を規定した法条をめぐる諸問題に関して、本研究で得られた成果の一端を、中国・ドイツ・オーストリア等で開催された国際学会で報告した。また、韓国国史編纂委員会の金〓榮氏「韓日前近代文書のありさま」(2007年6月4日)、朝鮮史学の大学院生川西裕也君「高麗末期より朝鮮初期における任命箚符の受容と継承」(同6月9日)の報告会を催し、文書の伝来め状況に関する日・韓の相違点や、韓国における文書様式の継承関係等について、理解を共有した。 更に、分担者がそれぞれに遂行した本年度の研究の成果を総合して、2007年度九州史学会大会シンポジウム「文書からみた東アジアの戦争と外交-モンゴル・元を中心に-」(2007年12月8日)を開催した。このシンポジウムには中国社会科学院の青格力氏の報告「モンゴル帝国の外交文書と一般文書の比較研究」も得られ、モンゴル帝国の文書様式の系譜的研究、その様式がユーラシア大陸の東西に及ぼした影響、特に「威嚇文言」の本来の趣旨と受け取り側の反応などをめぐって、活発な議論が交わされた。このシンポジウムのために準備会を催したほか、分担者は各自世界の関係学会での関連する報告や史料原本調査を行ってきた。このほか、文書様式の継承関係を精密に検討するための国際交流に関する基礎的研究も多数公表されている。
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Research Products
(42 results)