2008 Fiscal Year Annual Research Report
前近代東アジアにおける文書とその伝来に関する比較史的研究
Project/Area Number |
19320098
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
坂上 康俊 Kyushu University, 大学院・人文科学研究院, 教授 (30162275)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐伯 弘次 九州大学, 大学院・人文科学研究院, 教授 (70167419)
濱田 耕策 九州大学, 大学院・人文科学研究院, 教授 (40137881)
川本 芳昭 九州大学, 大学院・人文科学研究院, 教授 (20136401)
伊藤 幸司 山口県立大学, 国際文化学部, 准教授 (30364128)
舩田 善之 九州大学, 大学院・人文科学研究院, 講師 (50404041)
|
Keywords | 文書 / 東アジア / 前近代 / 様式 / 伝来 |
Research Abstract |
本年度の研究成果としては、国際ワークショップ「前近代東アジア公文書の比較史的研究-王言とその施行文書を中心に-」の開催(2008年11月20日、九州大学)と、その開催に向けて数回持たれた準備会が特筆される。ワークショップでは、党宝海「蒙元時代的双語公文初探」、小林隆道「宋元交替期の宋代文書」、金子修一「唐以前の「皇帝敬問」「皇帝問」文書の諸問題」、全〓穆「朝鮮時代韓国と明清時代中国の土地売買文書の比較」、崔鉱植「韓国古中世古文書研究の現況と課題」、佐伯弘次「日本古代・中世の下達文書様式概観」という6本の報告が行われ、西洋史専攻の岡崎敦氏よりのコメントを承けて質疑討論が展開された。前近代東アジアにおける文書行政は、古代中国のそれを淵源とし、諸国においてこれを取り入れつつも、諸国独自の展開を見たということができるが、本ワークショップは、政務処理システムの中において、あるいは文書が授受される社会において、文書が果たしていた役割、文書に寄せられた期待を視野に入れつつも、それぞれの地域・諸国において、具体的に文書がどのように展開していたのかという点について、研究者の間での相互認識を得る機会として設けられたものであり、前近代において密接な交流を続けてきた中国・韓国・日本それぞれの国で展開していた文書の世界を研究者が知りあうことを目的としたものであった。このワークショップの結果、石刻資料の読みの可能性、売券類への記号付与の意義、文書様式の展開過程における諸国の独自性など、諸領域での比較研究は十分に可能であることが確かめられ、残る期間での研究の発展の見通しが得られた。
|
Research Products
(38 results)