2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19320109
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Research Institution | The Institute of Politics and Economics |
Principal Investigator |
山辺 昌彦 The Institute of Politics and Economics, 戦争災害研究室, 主任研究員 (90435545)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 裕 一橋大学, 社会学研究科, 教授 (20166979)
伊香 俊哉 都留文科大学, 文学部, 教授 (80347369)
鬼嶋 淳 佐賀大学, 文科教育学部, 講師 (60409612)
青木 哲夫 財団法人政治経済研究所, 戦争災害研究室, 主任研究員 (40446274)
山本 唯人 財団法人政治経済研究所, 戦争災害研究室, 研究員 (50414074)
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Keywords | 空襲 / 無差別爆撃 / 博物館 / 東京 / 記録 / 体験 / データベース / 救護 |
Research Abstract |
初年度は研究資料の収集に重点を置いた。研究面では、基礎的な資料を整理し、これに立脚して、東京大空襲の開始決定・民間救護・被害の実相などを描く第一歩を踏み出た。無差別空襲の歴史を、帝国の本国だけでなく、植民地の視点を入れて見直すことが出来た。個別の課題についての研究実績は以下の通りである。 1.東京大空襲については、アメリカ戦略爆撃調査団の防空関係、医療関係の元資料を複写で収集した。研究協力者の荒井信一が東京大空襲の決定時期について研究会で報告した。日本テレビ発行の『東京大空襲』に協力し、本研究の成果をその中に簡潔に盛りこんだ。アメリカ軍や日本側の記録を利用し、爆撃や被害の規模・内容を記した「東京空襲一覧表」を作成した。 2.世界の無差別爆撃の歴史については、中国の重慶・成都・常徳の現地調査をおこない、博物館展示の見学と写真撮影、大学研究所と交流し、重慶爆撃の国際シンポジウムに参加した。無差別爆撃の源流であるゲルニカと重慶爆撃のシンポジウムを開催し、中国の現地調査報告を兼ねた報告書を刊行した。防衛研究所から重慶爆撃の戦闘詳報を複写で収集した。 3.民防空について、研究分担者の青木哲夫が保空壕政策の論文を書き、研究分担者の山本唯人が民間救護について学会で報告した。防空関係書籍を購入した。日本各地での空襲死者数の諸統計を集約して「本土空襲による主な地域の死者数についての諸調査集計表」を作成した。 4.『東京大空襲・戦災誌』1巻、2巻所収の体験記とその元原稿についてデータベースを作成した。 5.空襲を記録する会の資料について、今井清一文庫から資料を収集した。富山、水戸、小田原などの記録する会から資料の提供を受けた。 6.新設平和博物館と地域歴史博物館の特別展などを訪問調査した。まとめを研究会で報告し要旨を『戦争災害研究室だより』に掲載した。上福岡・向日・沼津・石川・睦沢などの博物館から資料の提供を受けた。
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