2008 Fiscal Year Annual Research Report
北・東北アジアにおける社会・文化変容の研究-同じルーツをもつ人々と「国境」-
Project/Area Number |
19320113
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
加藤 直人 Nihon University, 文理学部, 教授 (90130468)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松重 充浩 日本大学, 文理学部, 教授 (00275380)
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Keywords | 文化変容 / 社会変容 / 国境 / モンゴル / キャフタ / 東北アジア / アルタイ・ウリャンハイ / 北アジア |
Research Abstract |
今年度は、研究計画に記したとおり、モンゴル国と、ロシア・ブリヤート共和国を中心とする調査を実施した。まずウランバートル経由、キャフタを経由して陸路国境を越え、ブリヤート共和国のウランウデ市に入った。基本的に、同地方所在のモンゴル人関係の文献、宗教施設等の調査・研究を実施した。調査終了後、露蒙国境のキャフタ市、モンゴル側のアルタン・ボラク市における、露蒙、露中関係文献、施設等を調査・研究した。次いで、モンゴルの最西部に近いボブド市に赴き、同市から南方150kmほどのところにある、アルタイ・ウリャンハイ人の居住地域に入って、ここに暮らす人々に対して聞き取り調査を実施した。昨年度、中国新疆アルタイ地方において、アルタイ・ウリャンハイ人に対する聞き取り調査を行っており、今年度は、国境のアルタイ山を越えたモンゴル側に生活する同じルーツの人々の対比調査を実施した。80歳の女性から1940年代の後半に、アルタイ山を越えて1950年代までは交流があったことなど、両者を関連づける重要な成果をあげた。次いで、陸路ウリヤスタイ、ウランバートル市へ移動し、各地で清朝の異民族統治関連の資料を収集した。これらの調査と並行し、加藤はオーストラリア国立大学におもむき、中国の大興安嶺地区に暮らす人々の19世紀の文化・社会変容について現地の研究者と意見を交換し、中見は、韓国、ソウル大学校等に所蔵される関係文献調査を実施した。年度末には、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所において、研究協力者等と平成20年度の研究総括と評価を行い、その評価を踏まえた平成21年度の研究計画等を立案した。また、加藤は、フランス共和国国立図書館東方文書部ならびに国立ギメ博物館所蔵の17世紀〜19世紀の中国東北地域における人々の動きを知る満洲語文献について調査・研究を実施した。
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