2007 Fiscal Year Annual Research Report
北シリアにおける紀元前2000年紀における農村の生活と文化
Project/Area Number |
19320129
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Research Institution | Ancient Orient Museum |
Principal Investigator |
石田 恵子 Ancient Orient Museum, 研究部, 研究部長 (30132757)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩崎 卓也 財団法人古代オリエント博物館, 館長 (30015383)
脇田 重雄 財団法人古代オリエント博物館, 研究部, 研究員 (00175069)
津村 真輝子 財団法人古代オリエント博物館, 研究部, 研究員 (60238128)
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Keywords | 北シリア / テル・ルメイラ / 遺物・遺構 / 生活文化 / 祭祀 / 中期青銅器時代 / 後期青銅器時代 / 鉄器時代 |
Research Abstract |
1975年から1980年までの遺物台帳をコンピュータにいれ、データベース化した。コンピュータによるトレースを進め、トレース図面のある資料はデータベースに図の取り込みを行った。また遺物台帳からの祭祀関係資料の抽出を行うと共に、図面、写真データの有無も確認中である。 遺構図面に関してはコンピュータによるトレース図面を作成の途上である。途中の年度における絶対標高値の誤伝達が発覚し、かなり混乱をきたしたが、ようやく妥当な修正値を算出し、同じ層位を複数年度にわたって発掘している場合の図面の統合が可能となった。大きな層序の変遷を把握するために、層位毎の遺構の推移と土器編年の変化を慎重に検討中である。 年度当初に発掘参加者に集まってもらったが、なかなか実際に動けるメンバーはいなかった。調査後3G年近くを経過したデータであるため、記憶の点からも復元の困難なデータも多く、まさに発掘データの再発掘中といえよう。ようやく動き出し、有機的なデータにする努力の中から、北シリア、ユーフラテス東岸における中期青銅器時代、続いて後期青銅器時代、しばらくの断絶を経ての鉄器時代の暮らしが営まれていた姿が浮かび上がりつつある。 信仰面ではテル・ルメイラにおいて家型模型に関わる信仰が中期から後期青銅器時代を通じて存続していたらしいことが判明した。家型模型の形状やあり方の変遷を検討すれば新たな成果が生まれるはずである。このような今年度の成果をふまえて、テル・ルメイラの生活文化や祭祀がより明らかになることは明白である。
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