2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19330003
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
鈴木 賢 Hokkaido University, 大学院・法学研究科, 教授 (80226505)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高見澤 磨 東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (70212016)
宇田川 幸則 名古屋大学, 法政国際教育協力研究センター, 准教授 (80298835)
崔 光日 尚美学園大学, 総合政策学部, 教授 (50383352)
石井 知章 明治大学, 商学部, 准教授 (90350264)
坂口 一成 北海道大学, 大学院・法学研究科, 助教 (10507156)
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Keywords | 民間組織 / NPO / NGO / 社会団体 / 基金会 / 市民社会 / 結社の自由 / 民主化 |
Research Abstract |
今年度は研究メンバー全員で黒竜江省ハルビンで以下の諸機関を訪問して、民間組織について聞き取り調査を行った。(1)黒竜江省、ハルビン市、ハルビンの区の民政部門民間組織事務担当者への聞き取り(黒竜江大)、(2)黒龍江省民間諸団体代表者との座談会(黒竜江大)、(3)馬長山教授をはじめとする黒竜江大学法学院の研究者との座談会、(4)黒竜江省対外経済貿易企業協会、(5)黒竜江省青少年発展基金会、(6)黒竜江省区域経済学会。以上の調査により、黒竜江という後進地域でのNGO活動の現状、法制度の問題点についての実態を把握した。さらに、中国NGO問題の専門家を招聘して、以下のように研究会を開催、現状の問題点と今後の展望につき知見を深めることができた。(1)劉開明(シンセン当代社会観察研究所執行理事)2008年953日(水)「非政府組織(NGO_s) : 中国大陸に湧き上がる市民社会の力」(北海道大学法学研究科)、(2)同9月6日(土)「中国的堀起及其労工問題」(東京大学東洋文化研究所)、(3)王名(中国清華大学NPO研究所教授)2009年1月17日(土)「中国NPOの現状・課題・展望」(北海道大学法学研究科)、(4)沈潔(浦和大学教授)2008年10.月3日(金)「中国の医療・福祉サービスNPO」(北海道大学法学研究科)。 以上の研究活動を通じて、中国の民間組織は主管行政部門と民政部門という二重の行政管理に置かれ、自由に活動する空間を極度に狭められながらも、とくに海外の資金援助組織と結びつくこと、半官半民の形態をとること、二級単位と呼ばれる合法組織の下部組織という形をとること、法的手続以外のルートを通じて合法性を獲得することなどにより、事実上の存在空間を拡大しつつあることが判明した。「和楷社会」の建設という新たな政治状況のもとで、民間組織法制が曲がり角に来ていること、民間組織の発展の足かせとなっているのが、まさに法的地位の問題であることが明らかとなった。
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Research Products
(24 results)