2008 Fiscal Year Annual Research Report
国際法秩序における規範の接合と調整-INTERSTITIAL NORMの存立基盤
Project/Area Number |
19330010
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
柴田 明穂 Kobe University, 国際協力研究科, 教授 (00273954)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱本 正太郎 神戸大学, 法学研究科, 教授 (50324900)
酒井 啓亘 京都大学, 法学研究科, 教授 (80252807)
中井 伊都子 甲南大学, 法学部, 教授 (70280683)
竹内 真理 岡山大学, 社会文化科学研究科, 准教授 (00346404)
玉田 大 岡山大学, 社会文化科学研究科, 准教授 (60362563)
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Keywords | 国際法学 / 具体的国家観 / 実効性 / 法源論 / 国際機構 |
Research Abstract |
本研究は、国際法の一次規則の背後にあって、既存の国際法原則・規則の規範的関係ないし適用関係を律し、その社会適合性を促すinterstitial normの存在証明とその機能分析を行うことにより、合法性と正当性、実効性の間で揺れ動く国際法規範・組織の動態把握を目指す。 昨年度のinterstitial normの概念に関する予備的考察を踏まえて、今年度は、投資紛争、国際法主体論(国家と国際機構)、地域主義、海洋法、軍縮及び環境の分野におけるinterstitial normの発現形態・存立基盤につき検討を行った。具体的には、以下の7つの報告会を開催し、討議を行った。 「国有化・収用の補償算定論」(報告者:玉田)、「具体的国家観」(同:濱本)、国際法学における地域性と普遍性」(同:小林)、「法の客観性と紛争の実効的解決:海洋法分野を題材に」(同:竹内)、「多国間軍備管理制度の自立性と他律性」(同:阿部)、「国際機構の概念」(同:酒井)、「国際環境法分野における科学技術の位置づけ」(同:柴田)。以上の考察、討議から、国際法の基本概念やアプローチ、裁判所などの活動の中に、変動する社会に法が適応していくことを促す契機があることが示唆されるも、それらを統合する規範概念として「interstitial norm」をいかに提示するかについては、より立ち入った分野横断的な比較検討が必要であることが明らかとなった。以上の研究を遂行するにあたって、各分野の基礎資料・情報を収集・比較検討・データ化する学生支援員の雇用と情報処理機器の購入を行った。 次年度は、前半にこの比較検討を集中的に行い、その成果を踏まえつつ、後半は各研究代表者・分担者がそれぞれの専門分野におけるinterstitial normのより詳細な考察を行う。
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Research Products
(5 results)