2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19330020
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山下 友信 The University of Tokyo, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (10107485)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 友敬 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (80209064)
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Keywords | 自動車事故 / 自動車保険 / 損害賠償 / 自賠法 / 製造物責任 / ITS |
Research Abstract |
4年の研究期間の第2年次目に当たる2008年度においては、研究計画にしたがい、ITS(高度道路交通システム)が運行供用者責任や製造物責任等の民事責任に及ぼす影響の検討に焦点を当てて作業を進めた。特に、ITSの技術的水準が高まり実用化の段階への移行が求められる一方で、実用化の前提として、ITSが誤作動や機能の不完全性により交通事故発生の原因となった場合におけるITSの製造者やシステム運営者の製造物責任等の法的責任をはじめとする制度的な基盤の確立が求められているという現状に照らし、比較法的研究として、自覚的な制度的基盤の整備を進めているEUの近時の動向について資料収集と分析を進め、山下の論文として公表した。ここで明らかにされた製造者等が法的責任を負うリスクを回避するためのリスク分析と回避の手法は、わが国の今後の制度基盤の整備にとっても重要な示唆を与えるものと自負している。また、ITSの実用化は、とりわけ運転能力が低下しているが自動車運転が日常生活上不可欠な高齢ドライバーにとって必要性が高く、そのための技術と制度の在り方について考察し、わが国におけるITSの推進をめざすITS Japanという学際的なシンポジウムに山下がパネリストとして参加した。これらの作業により、第3年次移行に予定しているITSの実用化される状況下での法的責任の理論的分析や立法提案の研究の基礎的知見が得られたものと考えている。
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Research Products
(2 results)