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2008 Fiscal Year Annual Research Report

信頼理論モデルによる株主主権パラダイムの再検討

Research Project

Project/Area Number 19330021
Research InstitutionKobe University

Principal Investigator

行澤 一人  Kobe University, 法学研究科, 教授 (30210587)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 近藤 光男  神戸大学, 法学研究科, 教授 (40114483)
志谷 匡史  神戸大学, 法学研究科, 教授 (60206092)
加藤 貴仁  神戸大学, 法学研究科, 准教授 (30334296)
川口 恭弘  同志社大学, 法学部, 教授 (70195064)
伊勢田 道仁  関西学院大学, 法学部, 教授 (20232366)
Keywords企業買収防衛策 / 株主主権 / 効率的市場仮説 / シティコード / 公開買付規制 / EU法 / ステークホルダー
Research Abstract

今年度の研究において、以上の示唆を得た。(1)近年の敵対的企業買収を巡る買収防衛策の適法性に関する日本の判例は、建前としての株主主権の枠組みの中で、本音においては会社をめぐる多様なステークホルダーの利益を擁護しようとしているのではないか。(2)アメリカにおける近時の買収防衛策に関するデラウェア州判例法は、わが国で一般的に信じられているほど株主主権的である訳ではなく、むしろ現在のアメリカ会社法の議論状況は複雑化・複線化していると見るべきである。(3)アメリカ会社法・証取法における効率的市場仮説の受容と認知というテーマについては、少なくとも判例法のレベルでは、効率的市場仮説を「正しい」理論として受容しているというよりも、投資家保護という政策判断を実行するため、必要に応じて、かつ必要な範囲で、説明原理として同仮説を利用しているに過ぎないという評価が可能である。(4)イギリスにおけるM&A規制において重要な意義を持つシティコードによれば、企業買収の合理性判断に関する株主の決定に対して、中立義務を負う取締役会の株主に対する意見表明が重要な役割を果たしており、その際に、取締役会は株主利益のみならず、他のステークホルダーの利益にも配慮して「会社全体の利益」のために行動するべき義務を負う。その限りにおいて決して原理的な株主主権的アプローチが貫徹されているわけではないと言える。(5)EU法における資本市場規制の動向を公開買付規制を中心に考察した結果、最近の動向としては、会社支配権の移転が公開買付けの買付価格の高低のみによって決まることが社会的に望ましくない場合もあることが認識されている。

  • Research Products

    (3 results)

All 2009 2008

All Journal Article (3 results)

  • [Journal Article] 旧証取法17条に定める損害賠償責任の責任主体(判例批評)2009

    • Author(s)
      行澤 一人
    • Journal Title

      民商法雑誌 139巻4・5号

      Pages: 503-513

  • [Journal Article] ブルドックソース最高裁決定に見る企業防衛のあり方2008

    • Author(s)
      近藤光男
    • Journal Title

      旬刊金融法務事情 1833号

      Pages: 8-25

  • [Journal Article] 監査人の義務と責任-ナナボシ事件第一審判決2008

    • Author(s)
      志谷匡史
    • Journal Title

      月刊監査役 545号

      Pages: 56-64

URL: 

Published: 2010-06-11   Modified: 2016-04-21  

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