2007 Fiscal Year Annual Research Report
帝国モデルと主権国家モデルの理論的一歴史的比較考察:超国家的連邦制の学際的研究
Project/Area Number |
19330028
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
権左 武志 Hokkaido University, 大学院・法学研究科, 教授 (50215513)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田口 正樹 北海道大学, 大学院・法学研究科, 教授 (20206931)
山本 文彦 北海道大学, 大学院・文学研究科, 准教授 (30222384)
守矢 健一 大阪市立大学, 大学院・法学研究科, 教授 (00295677)
今野 元 愛知県立大学, 外国語学部, 准教授 (60444949)
林 知更 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 准教授 (30292816)
|
Keywords | 連邦制 / 帝国 / 主権国家 / ヘーゲル / ギールケ / ヴェーバー / ヴェストファーレン / ヴァイマール |
Research Abstract |
田口止樹は、15世紀の公会議と帝国国制に関する文献・史料を収集し、研究状况と関連史料を把握した上で、14世紀帝国国制論との比較を通じ、15世紀の展開方向を見定めるよう努めた。山本文彦は、ヴェストファーレン条約のうちオスナブリュック条約の和訳作業を進め、ヴェストファーレン条約の近年の研究動向につき調査した。また本条約に規定された内容がどう実行されたか、幾つかの事例に当たり検討した。権左武志は、19世紀初期ドイツにおける主権国家創立が、世俗化の課題に対し持った歴史的意義を、ヘーゲルの1830年度歴史哲学講義筆記録を資料として解明し、成果公表の準備を進めた。守矢健一は、2007年夏にフランクフルト大学マックスプランク研究所に短期滞在し、19世紀ドイツにおける法学(Rechtswissenschaft)の意味変化を追跡した上で、ドイツ史研究会で研究成果を報告した。遠藤泰弘は、第二帝政創立期ドイツの連邦国家構想について、ギールケの連邦国家論を軸として多角的分析を加えた。そして、研究成果を単著で公刊するとともに、国内外の学会で報告し、国内外の多様な分野の研究者と意見交換した。今野元は、ヴァイマール国制成立史研究の基盤をなすヴェーバーの政治活動を分析し、単著刊行と論文執筆によりヴェーバー研究の基礎固めを行った。更に、ヴァイマール憲法制定国民議会の議事録や内務大臣プロイスの秩序構想につき理解を深めた。林知更は、19世紀からワイマール期までのドイツ憲法史・憲法学史について、統治構造と学問状况の関連に留意しつつ研究を進めた。特に議会の位置づけの変遷が持った理論的意義について、日本の問題状况と対照させる論文を執筆した。
|