2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19330076
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
廣田 功 Niigata University, 人文社会・教育科学系, 教授 (90055236)
|
Keywords | 共同市場 / 共通政策 / 欧州関税同盟 / 欧州経済協力連盟 / マーシャルブラン / シューマンプラン / ローマ条約 / EEC |
Research Abstract |
平成20年4月1日〜19日、日仏会館、東京大学ドイツ・ヨーロッパ研究センターと協力し、仏独両国の統合史家・現代史家、R.フランク、W.ビューラー、J.Fエック、H.ケルブレの諸氏らを招聘して、仏独和解とEECの形成、ならびに東アジア共同体をめぐる最近の議論との比較をテーマとした国際シンポジウムを開催した(タイトルは「欧州統合の半世紀と東アジア共同体」)。このシンポを通じて、仏独和解と統合の推進力となった仏独経済関係の変化、それと連動した両国経済の構造変化、これらの背後にある諸経済思想の関係が確認された。また、平成20年12月6日、折から国際シンポに参加するために来日中のA.シャトリオ氏(パリ社会科学高等研究院)をゲストスピーカーとする公開セミナーを開催した。そこではEU共通農業政策史に関する最近の研究動向が詳細に報告され、とくにそれが経済政策以上に、社会政策ないし福祉政策であったことが指摘された。これはヨーロッパ統合の社会的ヨーロッパの側面を指摘する重要な視点である。また、平成21年1月24日、政治経済学・経済史学会統合史フォーラムとの共催で、『ヨーロッパ統合史』(2007年、名古屋大学出版会)を出版した遠藤乾氏(北海道大学)を招いて、同著の合評会を兼ねて、統合史研究の方法的検討を行った。そこでは遠藤氏が国際政治学の立場からの統合史の方法を展開し、われわれの共同研究チームから小島健と廣田が社会経済史の観点からの統合史の方法の特徴と意義について報告した。
|