2007 Fiscal Year Annual Research Report
アジア共同体構想時代における自動車産業のサプライヤーシステムに関する比較研究
Project/Area Number |
19330084
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
山崎 修嗣 Hiroshima University, 大学院・総合科学研究科, 教授 (80239938)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
李 東碩 広島大学, 大学院・総合科学研究科, 准教授 (60263638)
田口 直樹 大阪市立大学, 経営学研究科, 准教授 (60303252)
野村 俊郎 鹿児島県立短期大学, 商経科, 准教授 (00218364)
佐久間 英俊 中央大学, 商学部, 准教授 (50266269)
和田 寿博 愛媛大学, 法文学部, 准教授 (40263917)
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Keywords | 天津(中国) / 河南省(中国) / 北海道 / 九州北部 / 自動車部品産業 / サプライヤーシステム / トヨタシステム / 自動車産業集積 |
Research Abstract |
本年度は、中国の天津・河南省と国内は北海逼・名古屋・広島・九州における自動車産業のサプライヤーシステムについて調査した。この調査で明らかになったのは、以下の諸点である。第一に、中国では、日系自動車メーカーのトヨタシステムの導入が進んでいるが、成果をあげているのは、現状では、組立メーカーと一次部品メーカーとの間での取引である。一次部品メーカーと二次部品メーカー間の取引については、まだ課題が多く、中国自動車メーカーの生産効率のボトルネックの一つがここにあると考えられる。第二に、日系のサプライヤーの中国進出では、通常、トヨタ系のように組立メーカーの進出に伴って、事業展開を行うケースが、基本的であると考えられているが、マツダ系のサプライヤーのように日本での取引関係を超えて、内外の組立メーカーと取引を始めている事例が少なからず見受けられた。こうした事実は、今後のサプライヤーシステムを分析する上で、着目すべき点である。第三に、日本では、いくつかの地域に自動車産業の集積が進められつつあるが、それぞれの地域の戦略的な位置づけが明らかになった。トヨタ・日産などのメーカーの場合、重要拠点としては、九州北部が位置づけられているが、それ以外の地域は、バッファー的性格が強いことが明らかになった。例えば、北海道では、組立メーカーが地元のサプライヤーからの調達をふやす取組みがある程度、行われていても、他業種から自動車部品に参入するには、品質やロットの問題で参入障壁が高く、参入する場合でも新たな設備投資が必要なことも多く、そのリスクも問題となっている。しかし一方で、第四に、広島地域では、技術革新を軸に取引関係を多角化している事例もあり、他地域の参考になる展開があることも明らかになった。これらの事実は、地域振興という視点で国内の自動車産業集積のあり方を考える際の重要な論点を含むものである。
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Research Products
(3 results)