2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19330088
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
林 倬史 Rikkyo University, 経営学部, 教授 (50156444)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
馬越 恵美子 桜美林大学, 社会科学系, 教授
櫻井 秀子 中央大学, 総合政策学部, 教授 (60203345)
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Keywords | ダイバーシティ・マネジメント / 知識創造 / 研究開発のグローバル化 / 技術的多様性 / 新製品開発のコンセプト / 認知アプローチ / 異文化マネジメント |
Research Abstract |
本研究の「研究目的」は、グローバルな経済環境変化が進むなかで、日本産業・企業が新たな国際競争優位の源泉を創出するための新たなマネジメント・システムとしての「日本的多文化マネジメントシステム」構築のための理論的基盤を構築していくことにある。21年度の研究課題は、初年度および2年目の多文化マネジメントに関する先行理論の整理とインタビューサーベイを中心とした具体的実証研究に中心がおかれた。本年度の研究課題は、多文化マネジメントを「ダイバーシティ・マネジメントとイノベーション」の視点からとらえ直し、(1)「文化的多様性と文化的差異」および「認知アプローチの多様性」が新製品開発プロジェクトの新たな知識創造にどのような効果をもたらしているのか、および(2)「技術的多様性」と「文化的多様性」が、「新製品開発コンセプト」に及ぼす影響、であった。(1),(2)いずれの研究結果においても、それぞれの国民文化・組織文化固有の論理構造と独自の認知アプローチが組織行動の規範的役割を果たしていた。そしてそれぞれが競争優位性の源泉を構成していた。これまでの論点を総括すると、日本企業がグローバルに競争優位性を有する製品・事業を創造するためには、多様な文化的差異を組織内に取り込みつつ、それらの差異を超えた、トランスカルチャラルなあらたな組織文化を構築していくことが不可欠であると結論付けられた。換言すれば、本年度の研究成果を総括すると、21世紀型の日本的製品開発システムを構築していくためには、「クロス・カルチュラル・マネジメントとトランス・カルチャラル・マネジメントの両面を有する日本的多文化マネジメントシステム」が不可欠となるという点に集約されうる。
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