2009 Fiscal Year Annual Research Report
日系ブラジル人児童を中心とした多文化保育の総合的研究
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19330123
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Research Institution | Sapporp International Junior College |
Principal Investigator |
品川 ひろみ Sapporp International Junior College, 幼児教育保育学科, 准教授 (80389650)
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Keywords | 国際社会 / エスニシティ / 日系ブラジル人 / 多文化保育 |
Research Abstract |
今年度は主に日本国内の調査を中心とした調査を実施した。日系ブラジル人児童が集住し、かつ先進的な取り組みをしている福井県越前市と愛知県知立市の保育所や小学校を対象として行った。 まず(1)の越前市調査では、前回アンケート調査に協力いただいた4園すべてを訪問し、ヒアリング調査を行うことができた。越前市では市が独自にポルトガル語を話せる日系ブラジル人の通訳を雇用し、各園を巡回している。ヒアリングでは、それらの効果とリーマンショック以降の日系ブラジル人児童家族の状況について情報を収集することが出来た。同市においては、緊急雇用の一貫として、日系ブラジル人の通訳を増やすことを決定していた。また、ある保育所では同じ法入の老人介護施設においで、日系ブラジル人の雇用を試みることとなり、その窓口としてブラジル人通訳を配置している保育所が協力するという取組みをしているという実態が見られた。また(2)の知立調査では、小学校の低学年を対象として授業の観察を行うと同時に、日本語担当の教員すべてにインタビュー調査を実施した。対象校では日系ブラジル人児童の比率が半数近く、そのため日本語の習得が非常に難しい状況にある。それは学力の問題だけに限らず、学校生活の多くに影響を与えているようだ。インタビューではそれらについての児童の実態と課題についての情報を得た。さらに、保育所を対象とした調査では、小学校と同様に半数程度の児童が、日系ブラジル人である公立の保育所と、近接する私立の保育所に対して、保育者と保護者に対するアンケート調査を行った。特に公立の保育所においては、日系ブラジル人の通訳を雇用している。そこで、当該保育所においては、全ての保育者に対して、インタビュー調査を行った。一方で、私立の保育所は通訳はいないため、既存の保育環境で多文化保育を行っている実態である。これらの分析については、最終年度である今年度に行う予定である。さらに20年度に行ったブラジル調査の資料分析も今年度取り組む予定である。
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Research Products
(2 results)