2007 Fiscal Year Annual Research Report
語圏によるNPO、NGO国際ネットワークの研究-言政学を目指して
Project/Area Number |
19330124
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Research Institution | National Museum of Ethnology |
Principal Investigator |
出口 正之 National Museum of Ethnology, 文化資源研究センター, 教授 (90272799)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 佑子 駒澤大学, 総合教育研究部, 教授 (80276451)
廣瀬 浩二郎 国立民族学博物館, 民族文化研究部, 助教 (20342644)
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Keywords | 言政学的誤謬 / 言政学的一般問題 / NPO / NGO / グローバリゼーション / Linguapolitical fallacy / Linguapolitical general issue |
Research Abstract |
本年度は、研究代表者及び分担者が、基礎概念の確認をしたのち、中国をフィールドに、出口が日本語で中国語訳をつけて、また、西村が英語で中国語の通訳を付けずに、中国NGOのネットワーキングの調査を行った。手法はsnow-bowling approachであるが、その結果、中国語訳でのNGOは、ネットワークが進むにつれて、政府系NGO(GONGO)に近づき、英語での調査は、逆に反政府系NGO(Anti-NGO)に近づいて、両者のアプローチで中国NGOの姿が大きな違いを見せることを明らかにした。ごく僅かな事例研究であるが、言政学的な手法が社会科学上大きな意義を示す成果となった。このことを「「言政学的誤謬」(Linguapolitical fallacy)という新概念を創出した。また、第二次言政学担当の廣瀬は、世界の点字情報が集まる、ニューヨークライトハウス等を訪問し、点字の国際情報の収集に努めた。また、海外研究協力者については、ヘルムート・アンハイアーUCLA教授の来日が実現し、立教大学において、「グローバリゼーションのなかでの、文化の社会デザイン〜NPO研究から言政学へ〜」のシンポジウムを開催するとともに、出口とアンハイアー教授は同じく海外研究協力者のSeung,Mi-Han教授によって延世大学に招かれ、言政(Linguapolitics)の発表を行った。その結果、言政学とは「諸文化とグローバリゼーション」の間の標準化と軋礫に係る問題を言語を中心に端的に表現した用語であることが明白になった。したがって、「グローバリゼーションに伴う諸文化の軋礫の問題」を「言政学的一般問題」(Linguapolitical general issue)と呼ぶことにした。
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