2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19330149
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
日野林 俊彦 Osaka University, 人間科学研究科, 教授 (80156611)
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Keywords | 発達加速現象 / 初潮 / 思春期 |
Research Abstract |
本年度は、平成20年2月に実施した12回の全国調査の結果を中心に分析した。初潮に関する有効回収人数は、41798人であった。累計300万人を超える調査となった。 プロビット法を用いた平均初潮年齢は、12歳2.3ヵ月であった(標準偏差1歳3.4ヵ月)。平成17年に比較して、0.3ヵ月低年齢化していた。平成9年以降、12歳2.0ヵ月前後で推移していることになる。 小学校段階では、いわゆる早生まれと遅生まれで、発達段階に差が見られる。いわゆる早生まれの児童は、性成熟が同学年内で低い傾向が見られた。月齢の影響と考えられる。他方、中学校卒業時に日本全国で5,000-6,000人前後の未潮者が存在すると推定され、原発性無月経の可能性も含あ、なんらかの支援の必要性があると考えられる。 性別の受容関連の分析では、全学年肯定率が上昇するという変化が見られた。他方、未潮群・既潮群とも中2で肯定率が最低となることから、女性性の発達に、思春期における発達的転換点が存在するが、文化・社会的影響の大きさも窺われる。とりわけ未潮者群にも発達転換点が存在することは、他の身体的思春期変化の影響は無視できないものの、性別受容におげる文化・社会的な影響の可能性を示したものとしても考えられる。 子どもから青年・大人への変化とともに、性別受容や子どもへの関心のような思春期特有の心理も存在すると考えられる。女性性の発達も含め、心理的思春期変化に初潮の影響は見られるものの、他の身体的思春期変化や文化・社会的な影響との相互影響と考えられる。
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Research Products
(4 results)